
ポスティングに限らず、すべてのマーケティングでは対象顧客を知ることが大切です。自社の商品やサービスを購入する可能性のある顧客について、どのような場所で、どのような気持ちで、どのような行動をとるのかをイメージすることから始まります。
名古屋を拠点に東海エリアで20年以上ポスティングを手がけてきた株式会社ポスティング・サービスが、対象顧客の行動のイメージをポスティングの現場でどう活かすのか、具体的な考え方と手順を解説します。
対象顧客の行動とは?
対象顧客の行動とは、顧客になりえる人々が日常的に行っていることの全てを指します。
実際に店舗へ足を運んだり、商品を購入したりする行動だけではありません。インターネット検索やテレビ視聴、食生活や趣味、興味や関心など、一見すると商品と無関係に見える日常の行動も含まれます。
また、家族構成や年齢、ライフステージ、職業、経済状況などが行動の背景にあります。同じ人物であっても、年齢を重ねるごとにこれらは変化していきます。子育て中の家庭と、子どもが独立した後の家庭では、同じチラシを見ても反応がまったく違うのは当然のことです。
自社の商品やサービスが、どのようなタイミングで、どのような事情から求められるのかを考えながら対象顧客を想定します。具体的な対象顧客のイメージがあるかどうかで、ポスティングの効果は大きく変わります。チラシのデザインや配布エリア、配布のタイミングといった判断のすべてが、この一点から始まるためです。
行動を決める3つの要素
私たちは日常生活のなかで、さまざまな取捨選択をしています。
同じ日の同じ時間に開催されるイベントには、ひとつしか行けません。また、今日の夕食で食べることができる量は限られています。食べたいものを全て、一度に食べることはできないのです。
このような制約のなかで、私たちは次の3つの要素のいずれかに重点を置いて、どこに行くべきか、何を食べるべきか、どれを買うかなどの行動を決めています。
- 文化的な要素
- 社会的な要素
- 個人的な要素
それぞれの要素について、ポスティングの実務にどう関わるのかを見ていきましょう。
文化的な要素
文化的な要素は、住んでいる地域や、その土地の慣習や交友関係などです。土地柄や地域特性とも呼ばれます。
テレビやインターネットの普及によって地域の特徴は薄れてきたと言われます。しかし、地域ごとに売れている商品や、好まれるデザインには今も違いがあります。持ち家が多い地域か賃貸マンションが多い地域か、ファミリー層が中心か単身者が多いかによって、同じ商圏内でも反応するチラシはまったく異なります。名古屋市の通勤圏の特性のように、エリアごとの生活動線を把握しておくと、配布計画の精度は上がります。
ポスティングは地域を限定した宣伝や広告が可能な媒体であるため、文化的な要素には常に気をつけなければなりません。配布エリアを選ぶ段階で、この視点が抜けていると、どれだけデザインに力を入れても反応は伸びにくくなります。
社会的な要素
社会的な要素とは、対象顧客が所属している組織や団体、コミュニティなどです。
私たちが所属する最小の単位は、家族です。また、日常的に頻繁に会う仲間や友人のグループもあります。商品やサービスの購入の判断においては、家族や友人の意見や考え方が強く影響します。例えば美容関連のサービスであれば、本人の興味だけでなく、同僚や友人からの口コミ・評判が意思決定を後押しすることも少なくありません。エステサロンのポスティングのように、個人の嗜好と周囲の評価の両方が絡む業種では、この社会的な要素を無視できません。
さらに、職場の同僚や取引先の人々なども社会的な要素に含まれます。私たちは日常生活のなかで多くの時間を職場で過ごします。このため、どうしても職場で出会う人々の考え方にも影響を受けます。法人向けのサービスを扱う場合は、この職場内の人間関係や意思決定の流れまで想定しておく必要があります。
個人的な要素
個人的な要素には、年齢や職業、経済状況、学歴、趣味などが含まれます。また、商品やサービスによっては、人生の目標やライフステージなども影響するでしょう。
特に、BtoCの商品やサービスの場合には、最終の意思決定は個人が行います。このため、住んでいる地域や所属している団体、職場などよりも、個人の価値判断が重要になる場面が多くあります。
年齢によって価値観は変化します。また、経済状況は行動を制約する条件になります。自社の商品やサービスが、どのような人々に受け入れられるのかをしっかりと想定しましょう。個人の心理の動きを段階的に捉える考え方としてはAIDMAの法則が参考になります。対象顧客が「知る」「興味を持つ」「欲しいと思う」「記憶する」「行動する」のどの段階にいるのかによって、チラシで伝えるべき情報の優先順位も変わってきます。
対象顧客の行動をポスティングの設計に落とし込む
対象顧客の行動をイメージすることは、考えて終わりではありません。実際の配布計画に落とし込んで初めて効果につながります。
具体的には、次のような判断にイメージを反映させます。
- 配布エリア:対象顧客が多く住んでいる地域、生活動線上にある地域を選ぶ
- 配布のタイミング:対象顧客が商品やサービスを必要とする時期、曜日、時間帯に合わせる
- チラシのデザインと訴求内容:対象顧客が反応しやすい言葉や写真、レイアウトを選ぶ
配布エリアについては、文化的・社会的な要素から絞り込みます。どのような世帯が多いエリアか、周辺にどのような施設があるかによって、刺さる訴求は変わります。
配布のタイミングは個人的な要素と密接に関わります。給料日前後、季節の変わり目、引っ越しシーズンなど、対象顧客が「今まさに必要としている」瞬間に近づけるほど反応は高まります。この点はチラシ配布のタイミングで詳しく解説していますので、あわせて確認しておくとよいでしょう。
チラシのデザインについても、対象顧客の行動イメージを反映させる必要があります。誰に向けて、何を伝えたいのかが明確であれば、デザインの方向性は自然と絞られます。ポスティングチラシのデザイン術では、こうした訴求軸の作り方を具体的に紹介しています。
なお、配布エリアを広げるほど費用は増えますが、対象顧客が薄いエリアまで含めてしまうと、費用対効果はかえって下がります。ポスティングの価格の決まり方を理解した上で、対象顧客が密集するエリアに絞って配布するほうが、結果的に効率のよい投資になることが多くあります。
対象顧客の行動をイメージすることで広がるポスティングの自由度
ポスティングは、自由度の高いマーケティング手法です。このため、他の広告や宣伝よりも、わがままなマーケティングが可能な手法であると言えます。
つまり、細かな条件で絞り込んだ対象顧客だけに刺さるようなチラシを、対象顧客が多く住むエリアだけで配布することができます。テレビCMや新聞広告のように不特定多数に届ける手法では、ここまでの絞り込みはできません。
このような特性を持つマーケティング手法は、ポスティングの他にはほとんどありません。配布スタッフが手で配布する手間をかけることで、わがままなマーケティングが実現します。効果の測り方については損益分岐点の考え方を押さえておくと、配布後の振り返りもしやすくなります。また、チラシに加えてマグネット広告のような残りやすい媒体を組み合わせるのも、対象顧客の行動に合わせた手法の一つです。
このところ、ポスティングを再開する企業が増えています。対象顧客の行動を丁寧にイメージすることは、ポスティングという自由度の高い媒体を最大限に活かすための土台になります。
まとめ
対象顧客の行動は、文化的な要素、社会的な要素、個人的な要素という3つの軸が重なり合って形づくられています。どの要素に重点を置くべきかは商品やサービスによって異なりますが、いずれの場合も、対象顧客の日常をできるだけ具体的に思い描くことが出発点になります。
そのイメージを配布エリア、配布のタイミング、チラシのデザインという具体的な判断に落とし込むことで、ポスティングの効果は着実に高まっていきます。ポスティングの基礎知識やポスティングの効果を最大限に発揮する方法もあわせてご覧ください。
自社の対象顧客の行動をどうイメージすればよいか迷う場合は、ポスティングのご相談・お見積りからお気軽にお問い合わせください。
