ネットを見ない高齢者やテレビを見ない若者などに対し、情報を直接届ける手段としてポスティングが再び注目を浴びつつあります。
その要因となっているのが、ITを用いたデータ活用の導入と、大きな影響力を持っていた新聞や雑誌の購読者数が年々減少しているといった状況の変化です。
ポスティングは近年発展が著しいWebマーケティングとは異なりますが、顧客へ効果的なアプローチができるようにその戦略は多様化しています。そのため依頼の際にも細かな条件設定が可能となり、ポスティング料金はその条件によって変化します。
「相場はいくらなのか」「見積もりが業者ごとにバラバラなのはなぜか」という疑問を持つ担当者は多く、料金の仕組みを知らないまま依頼すると、必要以上の費用を払うことにもなりかねません。この記事では、ポスティング料金の相場や料金が決まる要因を、現場の視点で細かく解説します。
ポスティング料金の決まり方
ポスティングの料金は、突き詰めれば配布作業の効率によって決まります。目的に適した条件を設けることで高い効果を得られやすくなりますが、条件を増やすほど作業効率は下がり、料金にも反映されます。
業者によって詳細な内容は異なる場合もありますが、料金を決定づける大まかな要素は「部数」「サイズや形」「絞り込み」「期間」の4つです。ここではその中でも特に見積もりの差が出やすい項目を、ひとつずつ具体的に見ていきます。
チラシのサイズや厚さ、形
チラシのサイズ・厚さ・形は様々で、どれを選ぶかによって準備にかかるコストや配布効率は変わります。
例えば大きなチラシを配布する場合、ポストに入るサイズに折りたたむ作業が必要になるため、準備にかかるコストは増えます。それ以外にも、マグネットなど紙面以外の媒体や、紙面が大きく分厚いものになるほど配布物の重量やかさが増すため、一度に持ち運べる量が減ってしまい効率は落ちます。
サイズによる料金差は業者見積もりの中でも見落とされがちなポイントで、用紙サイズによる料金の変化を事前に把握しておくと、デザイン段階からコストを抑えた設計がしやすくなります。A4とB5では同じ枚数でも準備の手間が違うため、見積もりを取る前にサイズを決めてしまうのではなく、目的と照らし合わせて検討することが大切です。
条件の絞り込み
配布方法にはいくつか種類があり、その中には指定の地域内で配布先の絞り込みをせずにポスティングを行う「ローラー配布」と、配布先を指定する「セグメント配布」があります。
ローラー配布は効率重視の方法ですが、セグメント配布はターゲット層に合わせて配布先を絞り込むため、費用対効果を高められるのがメリットです。
具体的には、一戸建て・集合住宅・事業所といった建物の種類、車の有無など視認できる条件で分類する方法や、ビッグデータを活用して所得層・家族構成・年齢層などで分類する方法があります。過去の実績による独自のデータを活用している業者もあり、どのように配布選別をするかは業者によるので、依頼前に確認すると良いでしょう。配布方法の違いが料金にどう影響するかは配布方法別の料金比較で整理されているので、あわせて確認しておくと判断しやすくなります。
また、絞り込む際にビッグデータを用いることで分析費用が発生することも多い点には注意が必要です。条件に合う場所にだけ配布するのは移動が多くなり非効率なため、単価が上がってしまいます。「精度を上げれば上げるほど得をする」わけではなく、絞り込みすぎるとかえってコストが跳ね上がるという逆転現象が起きる点は、意外と見落とされがちです。
配布期間の長さによる併配の有無
配布期間を長く設定すると併配が可能となり、料金が安くなる場合が多いです。「併配」とは同時に数種類のチラシを配布する方法のことで、複数のポスティング案件をまとめて行えることから効率が上がり料金も抑えられます。
ただし、複数の広告が一度に投函されるため、自社の広告が顧客の目に留まりにくい点がデメリットです。配布されるときに自分たちのチラシが一番上にあるとは限りませんし、複数枚のチラシに埋もれていれば見られずに廃棄される場合もあります。反響率を重視するなら、1種類のチラシのみを配布する「単配」を指定できる業者に依頼を検討してみるのも良いでしょう。
配布期限を設けている場合に追加料金が生じることもあるため、料金を抑えるためには期間に余裕を持って依頼することが基本になります。キャンペーンの締切から逆算して余裕のないスケジュールを組むと、単配や急配の割増料金がかさみやすい点も覚えておきたいところです。
配布エリアの管理体制も料金に影響する
見落とされがちですが、配布後の管理体制がしっかりしている業者は、その分の人件費や仕組みづくりのコストが料金に反映されています。安さだけで選んだ結果、配布漏れや配布状況が確認できないといったトラブルにつながるケースもあります。
配布員の報告の仕組みや、クレームが発生した際の対応フローが整っているかどうかは、見積書の金額だけを見ていても分かりません。料金の安さだけで比較するのではなく、ポスティングの管理体制まで含めて確認することが、長い目で見て失敗しない依頼につながります。
| 要素 | 料金が上がりやすい条件 | 料金が下がりやすい条件 |
|---|---|---|
| サイズ・厚さ | 大判・厚手・変形サイズ | 標準サイズ・薄手 |
| 絞り込み | 条件を細かく設定 | ローラー配布に近い設定 |
| 期間 | 短期・単配指定 | 長期・併配可 |
| 管理体制 | 自社配布員・報告体制あり | 委託中心・報告簡易 |
地域によって異なる料金相場
ポスティングでは配布地域や業者によって効率などが異なってくるため、料金相場も変動します。例えば住宅が密集している地域では、配布枚数に対して移動が少なくなるため料金が安くなる傾向にあります。
通常のポスティング料金は、マンションやアパートといった集合住宅の多い地域を基準にして決められているため、住宅密集度が低い地域や一戸建ての多い地域では料金が高くなります。
また、業者によっては特定の地域に特化している場合や、拠点に近いエリアを安く設定していることもあるため、同じ地域でも料金相場は業者によって異なることがあります。地域による相場の違いをより詳しく知りたい場合は、名古屋と東京の料金相場比較を参考にすると、自社が配布したいエリアの水準感がつかみやすくなります。
そのため、依頼の際には複数の業者で見積もりを取り、料金を比較することが重要になります。同じ条件でも、業者が持つ配布網の効率次第で見積もりに差が出るためです。
配布物の種類によっても料金は変わる
ここまでサイズや厚さといった物理的な条件を紹介しましたが、配布物の種類そのものによっても料金体系が異なる場合があります。チラシ以外にも、封筒に入れて配布するポスティングDMや試供品を同封するサンプリングなど、配布形態によって作業工程が変わるため、料金にも差が出ます。
封入作業が必要な配布物は、チラシ単体に比べて準備の工程が増える分、単価も高くなりやすいのが実情です。配布物ごとの料金の違いを把握しておくと、「何を配りたいか」から逆算して予算感をつかみやすくなります。
業者によって料金体系が異なる理由
同じ条件でポスティングを依頼しても、業者によって見積もりが大きく異なることがあります。これは各業者が持つ配布網の広さ、スタッフの雇用形態、管理体制への投資度合いが異なるためです。自社配布員を抱えて品質管理を徹底している業者と、外部スタッフに委託して数をこなす業者とでは、単価の考え方そのものが違います。
見積もりが安いことだけを理由に選ぶと、配布の質にばらつきが出てトラブルにつながることもあります。業者ごとの料金体系の傾向については業者別の料金の考え方で解説しているので、見積もりを比較する際の判断材料として役立ちます。
見積もりを比較するときのチェックポイント
複数の業者から見積もりを取ったとき、金額の数字だけを見比べてしまうと、条件がそろっていないまま判断してしまうことがあります。比較するときは、部数・サイズ・絞り込み条件・配布期間・管理体制の5点を同じ条件にそろえたうえで見比べることが欠かせません。
- 見積もりに含まれる部数と実際の配布エリアの世帯数が合っているか
- 絞り込み条件がどこまで含まれているか、分析費用が別途かかるか
- 併配か単配か、配布期間はどのくらいに設定されているか
- 配布後の報告書や苦情対応の体制が料金に含まれているか
この4点をそろえずに金額だけを比較すると、実際には条件の異なるものを比べてしまい、結果的に割高な業者を選んでしまうことがあります。依頼前に条件を書面で確認しておくと、後からの認識のずれを防げます。
料金を抑えるためにできること
ここまで見てきたように、ポスティング料金は「部数」「サイズや形」「絞り込み」「期間」という4つの要素の掛け合わせで決まります。これを踏まえると、コストを抑えるためのポイントは次のように整理できます。
- 絞り込む条件を目的に対して必要最小限にとどめる
- 配布期間に余裕を持たせ、併配を活用できるようにする
- チラシのサイズや厚さを、効果とコストのバランスで検討する
- 複数の業者から見積もりを取り、条件をそろえて比較する
特に絞り込む条件をむやみに増やし過ぎないことは、費用対効果を保ちながらコストを抑えるうえで重要です。より具体的なコストダウンの手順についてはコストダウンの秘訣にまとめているので、見積もりを見比べる前に目を通しておくと交渉の材料にもなります。
自社配布と業者依頼、どちらが安いのか
ポスティング料金を検討する際、そもそも自社スタッフで配布したほうが安いのではないかと考える担当者も少なくありません。ただし、自社配布には人件費だけでなく、配布ルートの管理や苦情対応といった見えにくいコストが発生します。
短期的な人件費だけを比較すると自社配布が安く見えても、継続的に配布する場合は業者に依頼したほうがトータルコストを抑えられるケースもあります。自社配布と外注の費用感を具体的に比較したい場合は、ポスティング外注の費用相場と選び方を参考にすると、判断がしやすくなります。
まとめ
この記事ではポスティング料金の相場と、料金がどのように決まるのかをご紹介しました。
同じ地域、同じ配布方法などでも配布枚数や用紙の種類、条件付けによって料金は変動するほか、業者によっても料金は異なります。絞り込む条件をむやみに増やし過ぎないことや、業者ごとに比較することがコストを抑えるために重要になりますので、気をつけるようにすると良いでしょう。
株式会社ポスティングサービスでは配布だけでなく、デザイン、印刷なども行っています。ポスティングの依頼だけでなく、様々なお悩みをお持ちの方はぜひポスティングのご相談・お見積りからお問い合わせください。
