「売れない地下アイドルの一生懸命なファンサービスに心を打たれ応援したい」「バトル漫画で劣勢に立たされた主人公に気づけば心の底から応援していた」というように、不利に立たされている人を応援したくなる時に働く心理的効果をアンダードッグ効果と言います。
企業がマーケティング施策に取り入れて商品の販売促進に利用しているアンダードッグ効果ですが、ポスティングチラシでも使い方次第で劣勢な状況を逆に武器に変えられます。この記事では、なぜ効果が発生するのか、どう条件を整えればいいのか、業種別にどんな文面が作れるのかを順番に解説していきます。
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負け犬を応援したくなる心理「アンダードッグ効果」のしくみ
アンダードッグ効果は日本語にすると負け犬効果と言われ、人間の同情を誘い不利なチームや弱者を応援したくなる心理効果です。
ある実験では、一生懸命に頑張ってはいるが業績の悪い会社と、何も努力はしていないが業績の良い会社のどちらの商品を選ぶかという検証で、多くの人は勝者よりも努力をしても劣勢な立場の方を応援したくなることがわかりました。これはチラシの文面にも応用できる心理で、こちらが完璧ではないと正直に見せることが、かえって読み手の心を動かすケースがあります。
ただし、この効果には発生条件があります。読み手が事前に「この店や商品は有利な立場にあるのか、不利な立場にあるのか」を知っている必要があるという点です。何の前置きもなく「頑張っています」とだけ書いても同情は生まれません。状況が伝わって初めて、応援したいという気持ちが動き出します。チラシ以外の心理効果については心理学的効果はポスティングチラシ作成時に役立つ!でも紹介しているので、あわせて使い分けると表現の幅が広がります。
ポスティングチラシとアンダードッグ効果が相性がいい理由
ポスティングチラシは、地域のお客様に直接届く媒体です。「この地域のこの店が困っている」という情報は、SNSの不特定多数向けの発信より、むしろ地域密着のチラシの方が説得力を持ちやすいという特徴があります。
近所にある店だからこそ、普段の様子や存在をうっすらと知っている人が多く、「あの店が苦戦しているらしい」という情報に対して自分事として受け止めてもらいやすいのです。チラシの配布エリアを絞って繰り返し配布できるポスティングだからこそ、同じお店の状況の変化を少しずつ伝え続けることもできます。こうした地域での積み重ねがあるからこそ、アンダードッグ効果が単発の演出ではなく、継続的な関係づくりの材料になります。ポスティング自体がどんな目的で使われているかはポスティングをおこなう目的とはでも整理しています。
ポスティングチラシにアンダードッグ効果を利用する際のポイント
ここでは、アンダードッグ効果を発生させるための条件を踏まえた上で、ポスティングチラシを利用する際のポイントについて解説します。どれか一つだけでは弱く、組み合わせて初めて効果が出やすくなります。
普段の姿を知ってもらっていること
なぜ危機的状況に陥っているのか、以前はどのような状態だったのか知ってもらうことで、努力している姿がアピールしやすく、アンダードッグ効果が生まれやすくなります。チラシの中に「以前の様子」と「今の状況」を対比させる一文を入れるだけでも、読み手は状況の変化を理解しやすくなります。一度だけでなく、配布のたびに少しずつ状況を更新して伝えることで、読み手の中に「経過を見守っている」という感覚が生まれます。
応援してもらえるように努力を伝える
これはアンダードッグ効果には必須といえる要素で、人々は努力し奮闘してもなお苦境に追い込まれる立場を応援したくなり、さらに努力している姿を見せ続けることでより効果的になります。「頑張っています」という言葉だけでは具体性がなく、読み手には響きません。どんな工夫をしたのか、どれくらいの期間取り組んできたのかといった、努力の中身が見える表現にすることがポイントです。
弱さをさらけ出す
弱い立場にあることを認める謙虚さは、相手との信頼関係を構築するうえで大切な自己開示になり、相手からの共感や同情心を生み出します。完璧に見える店よりも、不器用でも正直な店の方が親しみを持たれることは珍しくありません。ただし弱さの見せ方は、言い訳に聞こえないよう注意が必要です。原因を他人や環境のせいにする書き方ではなく、「自分たちの至らなさ」として素直に書く方が共感を得やすくなります。
アンダードッグ効果をポスティングチラシに利用する具体例
この効果をマーケティング施策にどのように取り込めば良いのかについて、具体的な活用事例を業種別にいくつかご紹介していきます。
例1:小売店の仕入れミスで同情を誘い購買意欲を高める事例
「大量入荷セール開催します!売れ筋商品だと自負していたので、通常量の10倍発注してしまいました。努力しましたが、このままでは廃棄なのでセールを開催しました!」
この例のポイントは、単なる「安売り」ではなく「自分たちのミス」として正直に伝えている点です。値引きの理由が明確であるほど、読み手は「お得だから」ではなく「助けたいから」という気持ちで来店を検討しやすくなります。値引きやセールの打ち出し方を考えるときは、価格のつけ方自体についてまとめたポスティングの価格はどう決まる?も参考になります。
例2:エステ店の新メニューで危機的状況をアピールし、バイラルマーケティングも活用する事例
「新しいエステコースが完成しましたが、1年の間にコースが定着しなければこのコースは廃止になります。ご紹介するコースは〜です。ぜひ、このコース存続のために一度体験してください。」
「存続をかけている」という期限付きの状況設定は、読み手に「今行動しないと無くなってしまう」という感覚を与え、来店の後押しになります。エステ業界特有のチラシの作り方はエステサロンのポスティングとは?でも解説しているので、あわせて確認してみてください。
例3:普段お客様には共有しないような情報をポスティングチラシで伝え、返報性の原理を活用する事例
「大型スーパーが出店して苦しい状況ですが、当店の新サービスの客数は増えています。閉店を何度か考えましたが、これからもサービスを追求していきます。」
この例は、競合の存在という外的な不利な状況をそのまま伝えつつ、自店が取り組んでいる前向きな努力を同時に見せている点が特徴です。不利な事実を隠すのではなく、その上でどう工夫しているかまで見せることで初めて共感が生まれます。
アンダードッグ効果を使うときの注意点
アンダードッグ効果は強力ですが、使い方を誤ると逆効果になります。まず大切なのは、書いている内容が事実であることです。実際には困っていないのに演出として苦境を装うと、後から事実が伝わったときに信頼を一気に失います。地域に根ざしたポスティングだからこそ、ご近所同士で情報が伝わりやすく、嘘はすぐに広まってしまいます。
また、毎回のチラシで「厳しい」「苦しい」ばかりを繰り返すと、読み手は次第に慣れてしまい、効果が薄れていきます。アンダードッグ効果はここぞという場面で使う演出であり、常用するものではありません。チラシ全体のデザインや訴求のバランスを見ながら、他の要素と組み合わせて使うことが大切です。デザイン面の工夫についてはポスティングチラシで効果を上げるためのデザイン術にまとめていますので、文面だけでなく見た目の整え方もあわせて確認しておくと安心です。
他の心理効果と組み合わせて使う
アンダードッグ効果は単独でも機能しますが、他の心理効果と組み合わせることでさらに反応を引き出しやすくなります。たとえば、多くの人が支持しているものに惹かれる心理を利用したバンドワゴン効果がポスティングチラシに有効な理由とは?は、アンダードッグ効果とは逆の方向から働きかける心理効果です。劣勢をアピールしつつ、すでに支持している人がいることも伝えれば、「応援したい気持ち」と「安心して選べる理由」を両方そろえることができます。
どの業種にも同じように効果が出るわけではないため、自分の業種がそもそもポスティングと相性がいいのかどうかを把握しておくことも大切です。業種ごとの傾向はポスティングが効果的な業種について解説でまとめていますので、チラシの企画を立てる前に確認しておくと方向性を決めやすくなります。
まとめ
アンダードッグ効果は、人間の同情を誘い不利なチームや弱者を応援したくなる心理効果です。普段の状況や頑張っていても劣勢に立たされていることを事前に知ってもらうことで効果が発揮され、ポスティングチラシのマーケティングにも活用できます。
株式会社ポスティングサービスでは、アンダードッグ効果をはじめとした心理効果を踏まえたチラシ企画のご相談も承っています。文面の作り方から配布エリアの選定まで、まとめてご相談いただけます。
