ポスティングを外部の会社に依頼しようとしたとき、「配布スタッフにノルマを課して無理に配らせているのではないか」「ノルマがきついと配布の質が落ちるのではないか」という噂を目にして不安になった方もいるのではないでしょうか。
実際にインターネット上では「ポスティングにはノルマがある」「ノルマを達成できないとペナルティを受ける」といった話が広がっています。発注する事業者としては、こうした噂が配布品質や法令順守に直結する問題なのかどうかが気になるところです。
この記事では、ポスティングのノルマに関する噂の実態と、委託先の事業者がそれをどう見極めればよいのかについて、現場の視点から解説していきます。
ポスティングにはノルマが設定される場合がある
まず結論から言うと、ポスティングには実際にノルマが設定されるケースがあります。ただし、それは必ずしも悪質なものとは限りません。
ポスティングの配布スタッフに対する給与形態は、大きく分けて「時給制」と「歩合制」の2種類があります。歩合制は実際に配布した枚数に応じて報酬が決まる仕組みで、ポスティング業界では一般的に採用されている方式です。一方、時給制は働いた時間に応じて給与が支払われる仕組みのため、1日あたりどのくらい配布するかの目安=ノルマが設定されることが多いのです。
ノルマは、スタッフの経験年数や配布エリアの世帯密度、建物の形態(集合住宅か戸建てか)などの条件を踏まえたうえで、無理なく達成できる範囲で設定されるのが一般的です。発注側から見ても、現実的なノルマ設定がされている会社であれば、配布漏れや雑な配布が起きにくいという意味で安心材料になります。
逆に、ノルマの設定根拠があいまいだったり、過大な配布量を求めている会社に委託してしまうと、配布の質が犠牲になり、結果として広告効果が下がるおそれがあります。発注前には、料金体系とあわせて配布方法についても確認しておくとよいでしょう。チラシの配布方法には1社単独で配る「単配」と複数社のチラシをまとめて配る「併配」があり、それぞれ料金やノルマの考え方が変わってきます。単配についてや併配が安い理由を押さえておくと、見積もりを比較する際の判断材料になります。
ノルマ未達によるペナルティは法律違反になる可能性がある
次に気になるのが、ノルマを達成できなかった場合にペナルティが発生するのかという点です。結論として、ノルマ未達を理由とした罰則やチラシの買い取り強要は、法律に抵触する可能性が高い行為です。
具体的には、ノルマを達成できなかったスタッフに未配布分のチラシを買い取らせたり、罰金を課したりする行為は「労働基準法」違反や、刑法第233条の「強要罪」に該当するおそれがあります。また、会社側が一方的に給与から天引きを行うことも同様に労働基準法に違反する可能性があります。
時給制の場合、配布前の準備作業(チラシの折り作業や自転車への積み込みなど)もすべて業務時間として扱われるのが本来のあり方です。業務時間の外で無償の作業を強いる仕組みになっていないかは、委託先を選ぶ際のひとつの判断基準になります。時給制であれば休憩時間も含めて給与計算されるため、スタッフは自分のペースで配布でき、結果として丁寧な配布につながりやすいという側面もあります。
中には、ノルマを達成するまで帰宅を認めない、いわゆる「配り終わるまで拘束する」といった運用をしている例も報告されていますが、これは本来応じる義務のない残業の強要にあたります。応じざるを得ない状況であれば、残業代や深夜手当を請求する権利がスタッフ側にはあります。
こうした問題が起きた場合には、労働基準監督署へ相談することで是正を求めることができます。相談は電話・メール・訪問のいずれでも可能です。発注する事業者にとっても、配布スタッフの労務管理がきちんとしている会社かどうかは、間接的に配布品質や継続性を左右する重要な要素です。
発注する事業者がノルマの噂から読み取るべきポイント
ここまでの内容を踏まえると、発注者側がチェックすべきなのは「ノルマの有無そのもの」ではなく、ノルマがどのような根拠で設定され、未達時にどう対応されているかという点です。
適正な運用をしている会社であれば、次のような特徴が見られます。
- 配布エリアの世帯数やスタッフの経験に応じてノルマを個別に設定している
- 未達成でも罰金や買い取りを求めない
- 準備作業や移動時間も業務時間として扱っている
- スタッフの労務管理についてきちんとした説明ができる
こうした運用がされている会社は、配布品質の面でも一定の信頼が置けます。反対に、ノルマの説明があいまいだったり、質問に対して明確な回答が返ってこない会社は、配布の質やトラブル対応の面でもリスクが残ります。
また、委託する際には万が一の事故やトラブルに備えて、会社がどのような保険に加入しているかも確認しておくと安心です。ポスティング会社が加入している保険についてもあわせて確認しておくと、委託先選びの判断材料が増えます。
委託先を選ぶ際に合わせて確認したいこと
ノルマやペナルティの有無だけでなく、委託先を選ぶ際には料金体系や見積もりの内訳も重要な判断材料になります。歩合制・時給制のどちらを採用しているかによって、提示される見積もりの考え方も変わってくるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
見積もりを比較する際は、単に総額だけでなく、配布エリアや枚数、配布期間の条件を揃えて比較することが大切です。ポスティング広告の見積もりについてを参考にすると、提示された金額が妥当かどうかを判断しやすくなります。また、低コストでの配布を希望する場合でも、ノルマや人員体制を無理に切り詰めている会社は配布品質が不安定になりやすいため、低コストで効果的なポスティングの考え方もあわせて確認しておくと安心です。
ポスティングそのものの仕組みについて改めて整理しておきたい場合は、ポスティングとは(基礎知識)も参考になります。料金プランの全体像を確認したい場合はポスティングの料金・配布プランもあわせてご覧ください。
ネット上の噂やQ&Aを調べる中で疑問が出てきた場合は、知恵袋でよくある「ポスティング」についての質問やポスティングについてよく検索されるQ&Aにも関連する情報がまとまっているので、あわせて参考にしてみてください。
まとめ
ポスティングのノルマに関する噂について、発注する事業者の視点から整理してきました。時給制を採用している会社では配布目安としてのノルマが設定される場合がありますが、スタッフの経験やエリアの条件を踏まえた現実的な範囲で設定されているのが通常です。
一方で、ノルマ未達を理由にした罰金やチラシの買い取り強要、残業の強要といった対応は労働基準法違反や強要罪に該当するおそれがあり、こうした運用をしている会社に委託することは配布品質やトラブルのリスクにつながります。
委託先を選ぶ際は、ノルマの設定根拠や未達時の対応、労務管理の体制、保険加入の有無などを確認し、安心して任せられる会社かどうかを見極めることが大切です。
ポスティングの委託先選びや配布プランについて迷うことがあれば、お気軽にご相談ください。ポスティングのご相談・お見積り
