
ポスティングを行うにあたって、クレームへの対処は決して避けられない問題です。チラシを配る以上、投函のタイミングや配布先、住民の受け取り方によって、どれだけ注意していても一定数の苦情は発生します。
クレーム対応は適切に対処できればすぐに終わりますが、もしも対処を誤ってしまえば本来の業務にまで支障が出てしまうこともあります。逆に言えば、初動と話し方さえ間違えなければ、クレームはそれ以上大きくならずに収束するケースがほとんどです。
この記事では、ポスティングで受けたクレームの具体的な対処法と、やってはいけないこと、そして再発を防ぐための考え方までまとめてご紹介します。
なぜポスティングではクレームがゼロにならないのか
結論から言うと、ポスティングという手法の性質上、どれだけ丁寧に配っても苦情を完全にゼロにすることはできません。ポスト投函は不特定多数の住宅を対象にするため、受け取る側の事情や価値観まではコントロールできないからです。
たとえば「チラシお断り」のシールが見えにくい場所に貼られていた、投函音が静かな時間帯に響いた、同じ日に複数社が重なって配布していたなど、配布員の責任とは言い切れない要因でクレームにつながることも少なくありません。どのような場面でクレームが起きやすいかは、クレーム問題が起きるポスティングの投函事例で具体的に紹介しています。
大切なのは、クレームが起きること自体を恐れるのではなく、起きた時にどう対応するかをあらかじめ決めておくことです。対応の型を知っているかどうかで、同じクレームでも収まり方がまったく変わってきます。
ポスティングでクレームを受けた際の謝罪方法
クレームを受けた際の対処方法としてまず重要なことは、迅速に誠意をもって謝罪するということです。謝罪の中身が同じでも、タイミングと伝え方次第で相手の受け止め方は大きく変わります。
ここからは電話と対面、それぞれの謝罪方法についてより具体的にご説明します。初動対応の流れ全体については、ポスティング後にクレーム電話が入ったら?店舗が取るべき正しい初動対応を解説でも詳しく扱っています。
① 電話にて謝罪
電話での謝罪においては、いかに短時間でクレーム主に電話できるかがポイントです。
これは早ければ早いほど良いのですが、遅くても半日以内に電話するようにしましょう。目安としては、クレームの一報を受けてから折り返しの連絡をするまで、長くても数時間以内と考えておくと安心です。
万が一対応が遅くなると、クレームの原因だけでなく対応が遅いことにも怒りの矛先が向かい、相手側の怒りは更に強くなってしまいます。こうなってしまっては、たとえ謝罪したとしても相手は簡単に引き下がれなくなり、ハードなクレームになるのです。
基本的にクレームが発生した原因はポスティングしたことです。そのため全面的に非を認めて謝罪しなければいけません。ここで言い訳や言い逃れは絶対にNGで、とにかく相手の話を聞き入れて謝罪の言葉を述べることが大切なのです。
電話では、以下の順番を意識すると話がこじれにくくなります。
- まず会社名と担当者名を名乗り、迷惑をかけたこと自体をお詫びする
- 相手の話を途中で遮らず、最後まで聞き切る
- 投函日時・配布エリア・配布物の種類など、事実関係を落ち着いて確認する
- 今後の投函対象から除外する、配布エリアを調整するなど、具体的な再発防止策を伝える
事実確認の際、配布リストや投函ルートの記録が残っていると、どの配布員がいつ投函したかをすぐに特定でき、謝罪の説得力も増します。
② 直接会って謝罪
次に、直接会って謝罪する場合です。この場合も電話と同様にスピードが肝心で、なるべく早くクレーム主を訪問しましょう。
謝罪に行くのを躊躇して拒否、もしくは後回しにしてはいけません。怒っているクレーム主は謝罪に来ないと絶対に納得しないからです。電話だけで済ませようとする姿勢が伝わると、「誠意がない」という新たな怒りを生んでしまいます。
直接会って謝罪する際、たいていのクレーム主が怒りに任せて言葉を発しますが、まずは相手の言い分をしっかり聞き入れましょう。クレーム主が一通り言い終わった時に、相手の言い分を理解した上で、とにかく誠意ある態度で謝罪に徹することが重要です。
訪問時には、次の点にも気を配ると対応がスムーズになります。
- 一人ではなく、できれば二名で訪問する(言った言わないのトラブルを防ぐため)
- 名刺を渡し、どこの誰が対応しているかを明確にする
- 謝罪の場で感情的な反論や口答えは一切しない
- 話が長引きそうな場合でも、相手が落ち着くまで腰を据えて対応する
ポスティングでのクレームを受けた際やってはいけないこと
クレーム対応には「やるべきこと」と同じくらい「やってはいけないこと」があります。ここからは注意点を具体的にご紹介します。
① できるだけ誠意ある電話対応だけで終わらそう
クレーム対応としてベストなのは、電話対応だけで終わらせることです。電話対応で謝罪が済むのなら、対応に必要な時間や労力など本来の業務に与える影響も少なくなるからです。
ただし、電話だけで済ませようと急ぎすぎると、かえって相手の怒りを刺激してしまうことがあります。あくまで「相手が納得した結果として電話で収まった」状態を目指すべきで、こちらから一方的に話を切り上げるのは避けましょう。相手が「会って話したい」という意思を示した場合は、速やかに訪問を申し出ることが大切です。
② 金銭の要求は断固として断ろう
クレーム主の中には何らかの要求を持ってクレームする方もいらっしゃいます。ですが、たとえ金銭を要求されたとしても絶対に応じてはいけません。
相手の言い分や話は丁寧に聞きますが、無理な要求に応えようとしてはいけないのです。もし一度でも応えてしまえば、味を占めてクレームを繰り返す場合や要求がエスカレートする場合もあります。
そのため金銭などの要求が見えた時点で「そういった要望にはお答えできません」と毅然とした態度で対応することが肝心です。金銭要求に応じるかどうかの判断は現場任せにせず、会社として「応じない」という方針を事前に決めておくことで、担当者が板挟みになるのを防げます。
③ 感情的な対応・個人判断での約束はしない
クレーム対応では、担当者が感情的になって反論してしまうケースも見られます。相手が高圧的であっても、こちらが感情的に言い返すことは絶対に避けるべきです。売り言葉に買い言葉になった瞬間に、クレームは本来の内容から離れて「対応の悪さ」そのものが問題化してしまいます。
また、現場の担当者が独断で「今後は一切配布しません」「全額返金します」といった約束をしてしまうのも危険です。会社としての方針と食い違う対応をしてしまうと、後からさらに大きなトラブルに発展しかねません。判断に迷う要求があった場合は、その場で即答せず「社内で確認のうえ、改めてご連絡します」と持ち帰る姿勢も必要です。
クレームを未然に防ぐための配布管理
クレーム対応と同じくらい重要なのが、そもそもクレームが起きにくい配布体制を作ることです。一度受けたクレームの情報を記録し、次の配布計画に反映させることで、同じ場所での再クレームを防げます。
具体的には、「ポスティング禁止」のシールが貼られた家や、過去にクレームがあった住宅を配布リストから除外する仕組みが欠かせません。この管理方法については、ポスティングで配布しない家はどう管理する?クレーム情報を活かす方法を解説で詳しく解説しています。
また、「配布お断り」の意思表示への対応を誤ると、それ自体が新たなクレームの火種になります。配布可否の判断基準については「ポスティング禁止」にどう対応する?クレームゼロを目指す配布術で取り上げています。
法律面の理解不足からクレームが大きくなるケースもあります。ポスティング自体は合法な広告手法ですが、投函方法によってはトラブルに発展することもあるため、ポスティングは違法?正しいポスティングでクレームを防ごうも併せて確認しておくと安心です。
そのほか、配布品質そのものがクレームの発生率に直結することも見逃せません。配布の丁寧さや配布員の教育体制がどの程度苦情に影響するかは、ポスティングの苦情はなぜ起こる?企業イメージを守るために必要な配布品質とはで詳しく触れています。
クレーム対応後にやるべきこと
謝罪が済んで一区切りついたとしても、そこで終わりにしてしまうのはもったいない対応です。クレームの内容は、必ず社内で共有し、次の配布計画に反映させましょう。
具体的には、次のような記録を残しておくと再発防止に役立ちます。
- クレームが発生した日時・場所・配布エリア
- クレームの内容と、相手が求めていたこと
- どのように対応し、どのような結果になったか
- 今後の配布リストから除外すべき住宅の有無
こうした記録を積み重ねておくことで、エリアごとの傾向が見えてきて、配布前の時点でリスクの高い地域を避ける判断がしやすくなります。クレームそのものを過度に恐れず、起きた時にどう活かすかという視点を持つことが、長くポスティングを続けていくうえでは欠かせません。クレームへの向き合い方全体についてはクレームを恐れてポスティングを迷っている方へ!プロが教えるリスク管理でも整理しています。
なお、クレームが発生しやすい業種や配布物の特徴もあります。例えば美容系の店舗が行うポスティングでは、配布エリアの選定や投函のタイミングが特に重要になります。興味のある方はエステサロンのポスティングとは?も参考にしてみてください。
まとめ
ここまでポスティングでクレームを受けた場合の対処法や注意点などをご紹介してきました。
ポスティングとは切っても切れない関係にあるクレームですが、正しい対処法を知っていれば本来の業務への影響も抑えることができます。迅速な謝罪、金銭要求への毅然とした対応、そしてクレーム情報を次の配布計画に活かす仕組みづくりの三つを押さえておけば、クレームを過度に恐れる必要はありません。
株式会社ポスティングサービスは20年以上業界に関わってきた実績と経験があります。『ポスティングを行ってみたいがクレームが不安』などのお悩みを抱えている方は、ポスティングのご相談・お見積りから、是非一度株式会社ポスティングサービスにご相談してはいかがでしょうか。

