2024年も9月に入り、残り4ヶ月を切りました。季節はまだ真夏の様に暑い日が続いていますが、暦の上では「秋」です。そして秋といえばコメの収穫の時期ですね。

コメの収穫といえば今年の夏以降所々で

「コメがない」「コメが売っていない・買えない」

という声を聞きます。ではなぜコメがないのかについて考えてみました。

2024年はなぜコメ不足と言われるのでしょうか。

日本でのコメの需給バランスには複数の要因があります。需要側としては、人口の減少や食生活の多様化という側面もあり実際には1人当たりのコメ消費量は減少傾向にあると考えられています。その一方で供給側からの視点で見ると、減反の影響や農家を経営する方々の高齢化もあって現実的な生産量は減少してるいという状況にあります。これに加えて昨今の気候変動から来る異常気象であったり自然災害などによってコメの収穫量が不安定となることが実際にはあるのです。

2023年産のコメは、その生産量を評価する作況指数が「101」となっており、平年並みの収穫量であるとされています。しかし昨今の異常気象は年々常態化してきていることで、猛暑・水不足はコメ農家にとってはとても大きな問題となっています。

2023年産のコメ米ついて、これら異常気象などによって収量や品質を大きく落とした産地も多くあり実際には公表された数字ほど収量できていないという見方も実際には存在します。さらにはこのところの猛暑からコメの品質が著しく低下し、精米した際の仕上がり量が低下してしまうことや、業務用などに使用される「ふるい下米(中米とも言う)」が大幅に減るなどコメ自体がそれら要因になっているということも実際にはあります。

農林水産大臣は202467日、閣議後の会見でコメの消費動向に関して「前年よりも増加傾向にある」と話し、コメの家庭用の需要回復やインバウンドによる外食需要増による影響も少なくないと考えられています。

では実際にコメは無いのでしょうか。

農林水産省が発表したところによりますと、民間企業で在庫されているコメの量は20243月末時点で2,150,000トンとされています。このことから現時点でコメが全て無くなったということではないのです。先般、農林水産大臣の記者会見では次の様にコメ不足とされていることに対して見解を出しています。

「集荷業者及び卸売業者の3月末の在庫量は、対前年比マイナス36万トンの215万トンですが、年間需要量の681万トンに対する在庫量で見ると約32%と、コロナ禍前の時期とほぼ同水準です。このため、現時点で主食用米穀需給が逼迫しているとは考えていません。」

政府は大規模災害など不足の事態に備え、常に1,000,000トンのコメを備蓄しているので、食べるためのコメが無くなる可能性はありません。このことからお店などでコメを買い占める必要は全くありません。

とは言うものの、5月末時点の民間での在庫は1,450,000トンで、前年同期比マイナス400,000トンとなっています。これは例年の6月末時点での在庫量に近く、約1ヶ月分早く在庫が消化されている状況であるとも考えられます。結論としては在庫が枯渇している訳ではなくても、需要と供給の差がかなり狭くなってきていると考えられてしまいます。

では今年の新米は?

コメの需要と供給バランスが様々な影響で崩れてしまっている現状では新米に対する一般消費者の期待が大きくなっていることも事実です。多くの家庭で新米を待ち望む声が聞こえてきます。一般的な経済の考え方からすると需要の高いものの価格は高騰するという現実があり、今年の新米の価格は高騰することが容易に考えられます。通常のコメでさえ売れ残っているものの価格も大きく値上がりしています。全国消費者物価指数によりますと、コメ類の価格は20247月に前年同月比プラス17.2%と大きく上昇しました。この伸び率は「平成の米騒動」と呼ばれた19945月に記録しプラス21.4%20042月に記録したプラス25.2%に迫る高水準へ達したということです。

実際に今年の新米は豊作とも言われますがやはり需給バランスが崩れた現状ではその価格の高騰は続くと予想されています

農林水産省 「米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等」

このコメ不足は解消するのでしょうか

もともと8月は1年を通じて最もコメの在庫が少なくなる時期ではありますが、この「時期」が今年は早く来てしまったと言う状況に過ぎないという見方が大半の様です。このことから新米が流通する今月以降徐々にコメ不足と言われる今の状況も改善すると言われています。世間では様々なコメ不足の理由が囁かれています。高温や台風の影響等自然災害が起因するという見方もありますし、政府による減反政策がもたらした結果だと言う意見、インバウンドが好調であることから国民が口にする分までインバウンド客に取られたなどなど。しかし新米が流通し始める今月から徐々にこのコメ不足状況は解消されると考えられていることも事実です。凶作と言われるまで収穫高が低かったという状況でも無い様です。このためコメ不足の解消はもうすぐではないでしょうか。前述した様に自然災害的な凶作ではなかったことからコメ不足が騒がれる前にコメを買い占めた方も多くいたかもしれませんが、やはりコメ好きにはおいしい新米を食べるというのもこの時期ならではの楽しみですね。もう少し待てば美味しいコメがまた食卓に並びます。あそ少しの辛抱です。

とは言っても価格が・・・

物価の高騰というものは当然食料品にも大きな影響を及ぼします。当然ながらコメの価格も高騰しています。「コメは高級食品」となってしまう可能性もゼロではありません。コメの小売価格が高騰することを踏まえ、コメ農家から直接コメを買うご家庭も増えてきている様です。スーパーや量販店、ドラッグストアなどでもコメは販売されていますがこの小売価格が高騰してしまう昨今、若年層のコメ離れも進んでしまいそうです。日本の主食はどこまで行ってもコメなのです。コメを取り扱う企業の皆様、改めてコメの魅力やコメを使った食品の魅力を広告で広く告知しませんか?消費者動向などからピンポイントで広告宣伝活動を行えるのがポスティングです。どの地域のどの世代に届けたいかなど、ぜひご相談下さい。様々なデータや経験則で効果的な提案を致します。お急ぎの方は直接お電話下さい

職業体験で作成頂きました。