「チラシを配っているのに、シニア層からの問い合わせが増えない」そんな悩みを抱えている店舗や事業者は多いでしょう。内容や価格を見直しても手応えがなければ、改善点が見えなくなります。反応が出ない原因は商品ではなく、チラシの入口で止まっているケースが多いです。
シニア向けのチラシは、まず高齢者目線になって読めるかどうかで判断します。文字が小さい、フォントが細い、色が淡いといった要素が重なると、読む前に疲れてしまい、そのまま捨てられてしまうかもしれません。サービスの魅力が届かない状態は、内容以前の問題と言えます。
この記事では、シニア向けチラシの反響を左右するフォント設計の考え方をまとめました。文字サイズ、行間、コントラストの整え方まで、現場で使える形で解説します。
シニア層がチラシを読まない理由

シニア向けチラシで反応が出ない場合、内容の問題だと考えたくなります。しかし実際には、内容以前に「読む体力が必要そう」と感じて離脱しているケースがあるかもしれません。チラシは目を通す時間が短いため、最初の印象で読むか捨てるかが決まりやすい媒体です。
特にシニア層は、文字が詰まって見える、線が細く感じる、背景と文字がなじんでいるといった状態だと、内容に入る前に、読むのをやめてしまう場合があります。結果として、サービスの良さや価格に触れる前に判断が終わってしまうでしょう。
つまり反響が弱い原因は、興味の有無ではなく「読みやすい設計になっていない」点に潜んでいます。若年層向けの作り方をそのまま当てはめると、このズレが起きやすくなるでしょう。では、若年層向けとシニア向けではどこが違うのでしょうか。次の表で比較しました。
| 比較項目 | 若年層向け | シニア向け |
|---|---|---|
| フォントサイズ | 10〜12pt | 14pt以上(本文16pt推奨) |
| フォントの種類 | モダン・細め可 | ゴシック体・太め |
| 行間 | 通常(1.2〜1.5倍) | 広め(1.8〜2.0倍) |
| 色使い | トレンドカラー可 | 高コントラスト(白地に黒) |
| 情報量 | 最小限 | 詳細に説明 |
| 余白 | 多め | さらに多め(50%以上) |
| 漢字の使用 | 通常 | ふりがな付き・ひらがな多め |
この表から分かるように、シニア向けは読みやすさを最優先にする必要があります。

シニアに読まれるフォントの選び方

若年層向けと同じ感覚でフォントを選ぶと、シニア向けチラシでは損をしやすくなります。シニア層にとって読みやすいチラシとは、目が止まった瞬間に文字の形がはっきり分かる紙面です。デザイン性より、読み取りの負担を減らす設計が反響に直結すると考えたほうが自然でしょう。
フォント選びで見るべき点は、雰囲気より線の見え方です。線の強弱が大きい書体や、装飾が入った文字は判別に時間がかかります。反対に、文字の輪郭が均一でシンプルな書体は、ぱっと見たときの認識が早くなる傾向です。読み始めのハードルが下がると、本文まで到達しやすくなります。
さらに読みやすさを支えるのが、太さと文字サイズの組み合わせです。同じ書体でも細い設定だと弱く見えますし、小さな文字は視線を止めてしまいます。ここから先では、どのフォントが適しているか、避けたい例は何か、サイズはどの程度が目安かを見ていきましょう。
推奨フォントと避けるべきフォント
シニア向けチラシでは、フォントはデザインの好みではなく読みやすさで選ぶ必要があります。読み手が迷わず文字を追えるかどうかが反応を左右するからです。まずは多くの人が見慣れている書体を選び、読む負担が出にくい形に整えるのが基本になります。
推奨しやすいのは、ゴシック系の読みやすい書体です。例えば、メイリオや游ゴシック、ヒラギノ角ゴシックは線がはっきりしており、印刷で文字が潰れにくいでしょう。紙面全体に使う場合は太さを意識し、細すぎない設定にして輪郭を強めると安心です。
一方で避けたいのは、細い明朝体や装飾フォントです。雰囲気は良いですが、線が途切れて見えたり、形の判別に時間がかかったりします。英字風の書体やポップ体は読み取りに癖が出やすく、シニア向けでは不利になりがちです。フォントの時点で読みにくいと、内容まで届きません。
読みやすい文字サイズの目安
シニア向けチラシでは、文字サイズが反応を左右します。読めるかどうかは内容以前の問題で、読みづらいと感じた時点で離脱が起きるからです。印刷物はスマホのように拡大できないため、最初から余裕のあるサイズで設計する視点が欠かせません。
目安として本文は16pt前後にすると、読み始めの負担が減ります。14ptで読める人はいますが、長文になるほど目の疲れが出やすくなるでしょう。見出しは24pt程度にして、何の案内かを一瞬で理解できる形に整えます。注意書きや補足を小さくしたくなる場面は、12ptを下回ると読まれにくくなる傾向です。
年齢が上がるほど、大きい文字の効果は出やすくなります。60代で問題がなくても、70代以上では読みやすさの差が反応に直結しますし、80代中心なら18pt程度を検討したほうが安全です。文字を大きくすると情報は入らなくなりますが、詰め込みより絞り込みのほうが結果につながります。
読みやすさを上げるレイアウト設計

行間を広く取る重要性は、文字同士が重ならないようにするためです。行間が狭いと、上の行と下の行が混ざって見えてしまいます。
1.8倍から2.0倍の行間があると、視線が自然に次の行へ移動可能です。文字と背景のコントラストを強くすると、読み取りやすくなります。白地に黒文字が読みやすい組み合わせです。淡い色や中間色を使うと、文字と背景の区別がつきにくくなります。
では、行間・余白の取り方と色使いのポイントを見ていきます。
行間・余白の取り方
行間は1.8倍から2.0倍が読みやすい設定です。通常の1.2倍から1.5倍では、シニア層には窮屈に見えます。行間を広げると、1行ずつ区切って読めて、読み飛ばしが減るでしょう。段落間を広めに取り、1行分空けると段落の切り替わりが分かりやすくなります。
余白は全体の50%以上確保してください。情報が詰まっていると、見ただけで疲れてしまいます。余白があると、視線が自然に流れて読み進めやすいです。情報を詰め込まない勇気が、シニア向けチラシには必要になります。
余白を恐れず、伝えたいことを絞り込んでください。少ない情報を大きく見せる方が、読まれて記憶に残ります。
色使いとコントラスト
白地に黒文字が、読みやすい組み合わせです。コントラストが強いと、文字がはっきり見えるからになります。淡い色やパステルカラーは避けてください。若年層には柔らかく見えますが、シニア層には薄すぎて読めません。背景色を使う場合は濃い色に白文字にすると、コントラストが保てます。
カラフルより2色以内でシンプルにまとめると、統一感が出ます。色が多いと、どこを見ればいいか迷ってしまうからです。白・黒・1色の3色構成が、シニア向けには最適でしょう。
色使いをシンプルにすると、読みやすさが格段に上がります。デザイン性より機能性を優先してください。
シニアに伝わる文章の書き方

シニア向けチラシは、見た目だけ整えても反応が伸びない場合があります。理由は単純で、読めるが理解できない文章になっているケースです。伝えたい内容はあるのに、言葉が難しいと読み進められず、途中で止まってしまいます。そのため文章設計まで含めて整える視点が欠かせません。
特にカタカナ語や業界用語は注意が必要です。意味がすぐ浮かばない単語が混ざるだけで、理解に時間がかかります。さらに長い一文が続くと、どこが要点か分かりにくくなるでしょう。文章は短く区切り、情報を一つずつ伝える形にすると安心です。
また、漢字の読み間違いが起きると内容への信頼が揺らぎます。固有名詞や難しい漢字には、ふりがなを添えて誤解を防ぎましょう。ここからは、言葉の選び方と、紙面での情報の置き方を具体的に整理します。
分かりやすい言葉に置き換えるコツ
読みやすいチラシは、難しい文章ではなく身近な日本語で書かれています。シニア層に伝える場面では、意味を考えさせない表現に寄せるのが効果的です。文章を丁寧にし過ぎると、言葉が難しいだけで距離が生まれます。まずは理解の速さを優先して整えると良いでしょう。
例えば、リーズナブルは手頃な価格、コンセプトは考え方といった形に置き換えると伝わりやすくなります。専門用語を避けられない場合は、直後に説明を添えると親切です。さらに一文が長いと内容が頭に残りません。目安として30文字前後で区切り、二文に分けて意味を整理しましょう。
漢字も同じです。一般的な単語で読み方に迷う場合があります。店名、地名、施術名などは特に誤読が起きやすいので、ふりがなを付けておくと安心です。ひらがなを混ぜると印象が柔らかくなり、読み進めやすい文章になります。
伝えたい情報を上から順に並べる
シニア向けチラシでは、何をどこに置くかで反応が変わります。最後まで読まれる前提で作ると、肝心な内容が埋もれてしまうでしょう。チラシは上から順に目が流れるため、重要な情報ほど早い位置に置く設計が必要になります。
紙面の上部は特に目に入りやすい場所です。サービス名やメリットを上に置くと、読み飛ばされにくくなります。連絡先は下に小さく置くのではなく、見つけやすい位置へ移しましょう。シニア層はQRコードより電話を選びやすい層が多く、電話番号は大きく出すほど行動につながります。
地図を入れる場合は、見やすさを優先してください。小さな地図は役に立ちません。駅やバス停、コンビニや銀行など、分かりやすい目印を入れると来店への不安が減ります。地図を入れる場合は、国土地理院の地理院地図を使えば、見やすい位置図を印刷用に作成可能です。情報の順番を整えるだけで、伝わり方は大きく変わるでしょう。
まとめ

シニア向けチラシは、内容の前に読みやすさで反応が決まります。フォントと文字サイズの設計を変えるだけで、同じサービスなのに伝わり方が大きく変わるでしょう。ゴシック体の太めを選び、本文は16pt前後、行間は1.8倍以上を目安にすると読み取りの負担が減ります。さらに高コントラストで文字を見やすくし、カタカナ語を控えめにして、必要に応じてふりがなを添えると理解されやすいです。
若年層向けのチラシをそのまま流用すると、文字の小ささや線の細さ、色の弱さが原因で読まれない可能性が高まります。せっかくの配布が無駄にならないよう、まずは読みやすい形に整えるのが近道です。
株式会社ポスティングサービスは、名古屋を中心に日本全国でポスティングを行い、反応につながる配布設計まで支援しています。どの地域に配るかだけでなく、競合の動きを踏まえた分析を行い、チラシの見せ方や届け方を含めて提案が可能です。シニア層に向けて配っているのに反応が伸びない場合は、一度ご相談ください。

