ポスティングは通常、専門の業者に依頼する方法が一般的ですが、実は地域に根ざした牛乳特約店に依頼してポスティングしてもらうという選択肢もあります。やり方次第では、業者によるポスティングよりも高い反響を得られる場面があります。
この記事では、牛乳特約店を使ったポスティングの仕組みから、向き不向きの見極め方、依頼時の値段交渉のコツまで、事業者が判断に必要な情報をまとめて解説します。
ポスティング会社と牛乳特約店の違い
牛乳特約店を使うかどうかを判断する前に、そもそも牛乳特約店がどういう存在で、何を配っているのかを押さえておく必要があります。
牛乳特約店とはどんな存在か
牛乳特約店は町の牛乳屋さんであり、牛乳を保管する冷蔵庫がある住所を起点に、契約者が住んでいる市町村へ牛乳を宅配しています。
宅配担当者は、事前に決められた宅配ルートに沿って週に3回〜6回程度配達を行います。配達ルートは町や市をまたいで客の自宅をつないでいき、おおよそ一直線になるように組まれているのが一般的です。つまり、牛乳特約店が持っているのは「不特定多数の住所」ではなく「毎週顔を合わせている既存契約者のルート」だということが、ポスティング会社との最大の違いです。
牛乳特約店は牛乳だけではない商品も配達している
特約店は、契約している会社が作成した食品や雑貨が一覧で掲載されているパンフレットやチラシを、牛乳の宅配と同時に宅配ボックスへ投函し、欲しい商品があれば特約店に連絡して購入する形式を採用しています。
つまり特約店は、日常的に「宅配物+同梱チラシ」という配布の仕組みをすでに持っています。ポスティングを依頼する側からすると、新たに配布網を作るのではなく、この既存の仕組みに相乗りさせてもらう形になります。
牛乳特約店を使ったポスティングの長所
牛乳特約店を利用したポスティングには、ポスティング会社にはない独自の長所が3つあります。
信頼性が高く反響率が期待できる
牛乳特約店は大手の乳業メーカーと契約していることから客からの安心感が高く、また昔から経営しているところが多いため、地域住民や客からの知名度・信頼度が高いという長所があります。
このため、特約店から届く商品は信頼できるという良いイメージにつながりやすく、ポスティング会社に依頼したときよりも反響率が高くなる傾向があります。地域での信頼を土台にした配布という点では、地域ブランドを育てるポスティングの考え方とも重なる部分です。
人口が少ないエリアまでポスティングをしてくれる
牛乳特約店では、人口が多いエリアだけではなく、過疎化が進んでいるエリアまで宅配ルートが決められているところが多くあります。人口が減少している地域では買い物に行けない人も多く、食品などを配達してくれる牛乳特約店との契約率が高い傾向があります。
ポスティング会社の中には、軒数の少ない山間部や郊外の配布を効率の面から断るケースもありますが、牛乳特約店はもともと採算度外視でそうした地域に配達ルートを持っていることが多いため、人口密度の低いエリアへの到達力という点では業者より有利になる場合があります。
配布物の注目度が高い
牛乳特約店が主に客に配布するチラシは、メーカーや牛乳特約店が作成した商品紹介チラシや食品のカタログだけです。このため、牛乳特約店を使ってポスティングしたチラシは客の目に留まる確率が高く、業者を使ったポスティングよりも高い反響率を期待できます。
ポストの中に大量のチラシが入っている状態だと埋もれてしまいますが、宅配ボックスの中身が限られている牛乳特約店経由の配布は、一枚あたりの注目度が相対的に上がります。
牛乳特約店を使ったポスティングの短所
一方で、牛乳特約店を使ったポスティングには見過ごせない短所も3つあります。依頼を決める前に必ず確認してください。
既存客にしかポスティングができない
牛乳は既存客にしか配達されないため、ポスティングを行っても狙った配布エリアの多くをカバーすることは難しいです。新規顧客層へのアプローチや、エリア内の世帯をくまなく網羅したい場合には向きません。
広範囲にわたってチラシ配布をしたい場合や、配布エリアを面でしっかり押さえたい場合は、ポスティングの基礎知識を踏まえたうえで、通常のポスティング業者を利用することをおすすめします。
ポスティングができる軒数が限られている
契約店がポスティングできるのは数百軒から多くて2000軒ほどで、人口が多い地域内を広範囲でポスティングしたい場合は高い効果を出しづらいです。配布可能な軒数の目安は、一般的なポスティング業者が扱う配布枚数の平均的な目安と比べても小規模であることが多く、ある程度のボリュームを前提とした販促施策には不向きです。
メーカーの許可が必要な場合がある
牛乳特約店は乳業メーカーと契約しているため、チラシをポスティングする場合にメーカーからの許可を得なければならない場合があります。特約店に相談しても、メーカー側の判断で断られることがある点は事前に理解しておく必要があります。
このため、牛乳特約店に配布をお願いする場合は、特約店を通してメーカーにポスティングの許可をもらえるよう交渉を行ってください。許可が下りるまでに時間がかかることも多いため、配布したい時期から逆算して早めに相談を始めるのが現実的です。
牛乳特約店を使ったポスティングの値段
現在、ポスティングを請け負っている牛乳特約店は少ないため、ポスティングにかかる値段は一定の基準がなく、特約店との交渉によって値段は変動します。
交渉を進める際は、次のような手順を踏むとスムーズです。
- 自分の中であらかじめ配布したい軒数と予算の上限を決めておく
- 特約店に対し、配布可能な軒数・配布頻度・配布可能エリアを先に確認する
- チラシの内容(商品案内か、それ以外の広告か)によってメーカーの許可が必要かどうかを確認する
- 許可が必要な場合は、許可取得にかかる期間も含めてスケジュールを相談する
- 値段だけでなく、配布結果の報告の有無やタイミングも事前にすり合わせる
値段交渉は特約店ごとに大きく異なるため、複数の特約店に相談できる場合は条件を比較してから決めるのが安全です。配布後の反響を次の施策につなげたい場合は、エリアごとにクーポン番号を変える効果測定の方法のような仕組みを、特約店側と相談のうえ取り入れられるかも確認しておくとよいでしょう。
牛乳特約店とポスティング業者、どちらを選ぶべきか
ここまでの長所・短所を踏まえると、牛乳特約店を使ったポスティングが向いているかどうかは、配布の目的によって変わります。
| 目的・状況 | 向いている依頼先 |
|---|---|
| 既存の地域住民に信頼感を持って届けたい | 牛乳特約店 |
| 過疎地域・郊外の世帯にも届けたい | 牛乳特約店 |
| エリア内の世帯を広くくまなく配布したい | ポスティング業者 |
| 新規顧客層にアプローチしたい | ポスティング業者 |
| 数千〜数万枚規模の配布を行いたい | ポスティング業者 |
既存の地域住民との関係性を活かした少部数の配布なら牛乳特約店、面を押さえた広範囲の配布ならポスティング業者というのが基本的な使い分けの考え方です。美容室やサロンのように地域の新規客獲得を目的とする場合は、地域新規客を獲得するポスティングの方法も参考になります。
また、既存顧客との関係維持を目的とするなら、既存顧客からの評判を維持するポスティングチラシの作り方も合わせて検討すると、牛乳特約店経由の配布と相性の良いチラシ設計ができます。配布料金の相場観を把握したい場合は、ポスティングの料金・配布プランも確認しておくと、特約店との値段交渉の際の比較材料になります。
まとめ
特約店を使ったポスティングは反響率が高く、人口が少ない地域でも対応可能ですが、配布ができる軒数は少なく、ポスティングの値段は決められていないので交渉が必要です。配布したい地域・顧客層・ボリュームを整理したうえで、牛乳特約店とポスティング業者のどちらが目的に合うかを見極めてください。
どちらの方法が自社の配布目的に合っているか迷う場合は、ポスティングのご相談・お見積りからお気軽にお問い合わせください。
