「ポスティングをしても反応がない」「チラシを何千枚と配ったのに、問い合わせは数件だけ」「配布費用だけがかさんで、結果的に赤字になってしまう」そんな悩みを抱える経営者は多いのではないでしょうか。
実は、こうした失敗の原因は「ターゲットが曖昧すぎる」点にあります。
30代女性、ファミリー層といった大雑把な設定では、心に響くチラシは作れません。そこで注目されているのがペルソナ設計という手法です。具体的な人物像を詳細に作り上げることで、ポスティングの効果を大きく変えられます。
今回は、20年のポスティング経験を持つ弊社が実践している、効果的なペルソナ設計の方法をお伝えしましょう。この手法を使えば、これまでとは違った手応えを感じられるはずです。
ペルソナ設計とは?ポスティング効果が変わる理由

ペルソナ設計とは、理想的なお客様を実在する人物のように詳しく設定する手法です。名前、年齢、職業はもちろん、趣味や価値観、1日の過ごし方まで具体的に決めていきましょう。マーケティング業界では以前から使われていましたが、最近ではポスティングでの効果が注目されています。
なぜペルソナがポスティングの成果を左右するのでしょうか。答えは、チラシ制作の精度が格段に向上するからです。曖昧なターゲット設定だと、デザインや文章が中途半端になってしまいます。
しかし、具体的な人物像があれば、その人が好む色使いや響く言葉を自然と選べるようになり、見る人の心に刺さるチラシが完成します。
ターゲットとペルソナの違い
従来のターゲット設定は、年齢や性別で大まかに区切る方法でした。
30代女性、会社員、既婚といった設定をしていく手法です。一見分かりやすそうですが、実際にチラシを作る段階で困った経験はありませんか。どんな色にすべきか、どんな文章を書けばいいのか、迷ってしまう場面が多いはずです。
一方、ペルソナ設計では「田中美佳さん、34歳、パートタイム勤務、小学3年生の息子を持つ母親」といった具体的な人物像を作ります。さらに、平日は9時から15時まで働き、夕方は子どもの習い事の送迎、休日は家族で公園に行くのが楽しみ、といったライフスタイルまで設定してみましょう。
ここまで詳細に決めておけば、チラシのデザインや文章に迷う場面は大幅に減るでしょう。美佳さんが好みそうな温かい色合い、子育ての悩みに寄り添う文章が自然と浮かんできます。
ポスティングにペルソナが必要な理由
ポスティングは他の広告手法と比べて、個人宅に直接アプローチできる特徴があります。
だからこそ、受け取る人の心に響かなければ、すぐにゴミ箱行きになってしまうでしょう。テレビCMのように何度も見てもらえる機会はありません。一度のチャンスで印象を残す必要があるので、ペルソナ設計の価値が高まっています。
また、ポスティングでは配布エリアの選定が成功のカギを握ります。ペルソナが明確になれば、その人がどの地域に住んでいそうか、どんな住環境を好むかを想像しやすくなります。
新興住宅地なのか、昔ながらの商店街近くなのか、駅近のマンション群なのか検討してみてください。
ペルソナのライフスタイルに合わせてエリアを絞り込めば、効率的な配布が実現できます。さらに、最近では多くの企業がポスティングからWEBサイトへの誘導を狙っているため、ペルソナが設定されていれば、WEBサイトの内容と一貫性を保てます。

ペルソナの作り方5ステップ

ペルソナ設計と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、5つのステップに分けて進めれば誰でも取り組めます。重要なのは、架空の理想像ではなく、実際のお客様の特徴をもとにしたリアルな人物像を描くことです。
では、ペルソナ設計の具体的な5ステップを見ていきましょう。
ステップ1:基本情報を設定する
まずはペルソナの土台となる基本プロフィールを決めることから始めましょう。年齢、性別、職業、家族構成など、既存のお客様データをもとに、最も代表的な属性を抽出します。
たとえば、「34歳、女性、パート勤務、夫と小学生の子ども1人、新興住宅地に居住」など、できるだけ具体的に人物像を描きます。職業や地域の相場を参考に年収も設定し、住環境や交通手段も考慮しましょう。名前をつけるとイメージがさらに明確になります。
ステップ2:生活パターンを具体化する
次に、その人の1日のスケジュールを想像して、生活パターンを設定します。平日と休日の過ごし方、起床時間、勤務時間、買い物のタイミングなど、時系列に沿って具体的に描きましょう。
これにより、その人物がどんなタイミングで情報を得やすいか、チラシを受け取る余裕があるのはどの時間帯かが見えてきます。さらに、SNS、口コミ、地域情報誌など、情報収集の手段も明確にしておくことが大切です。
ステップ3:悩み・課題を掘り下げる
商品やサービスがなぜ必要とされるかを考えるために、その人が抱えている悩みや課題を深掘りします。子育て、健康、時間の不足、将来への不安など、生活に根ざした問題を明確にします。
たとえば、「時短で作れる健康的な夕飯を知りたい」「子どもの学習に不安がある」「パート収入で家計が苦しい」といった悩みがあれば、それを解決する手段としてサービスをどう提示できるかが重要です。
ステップ4:行動パターンを理解する
ペルソナがどのような行動をとるかを想像することで、チラシの配布方法やタイミングが明確になります。移動手段(自転車中心、週末のみ車利用)、買い物の時間帯(平日夕方、週末まとめ買い)などが代表的な要素です。
これらの情報から「どのエリアにいつ配るべきか」「配布の密度をどう設定するか」などが判断しやすくなります。
ステップ5:ペルソナを一枚にまとめる
最後に、これまでに整理した情報を一人の人物像としてまとめます。以下のような表を活用すると、誰が見ても同じイメージを共有できるので便利です。
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 田中美佳さん |
年齢・性別 | 34歳・女性 |
職業・年収 | パート事務・年収150万円 |
家族構成 | 夫・小学3年生の息子1人 |
居住地 | ○○市・駅徒歩15分の新興住宅地 |
平日の生活 | 7時起床、9-15時勤務、16時お迎え |
休日の過ごし方 | 家族と買い物、公園、習い事の送迎 |
趣味・関心 | 節約、子育て、料理、健康管理 |
情報源 | SNS、ママ友、地域情報誌 |
悩み | 教育費の不安、時短料理、体力不足 |
行動パターン | 自転車移動、特売日まとめ買い |
この表が完成すれば、チラシのデザインや文章のトーンを考える際にも非常に役立ちます。
ペルソナを活用したポスティング実践方法

せっかく作ったペルソナを実際のポスティングで活用しなければ意味がありません。多くの企業がペルソナ設計で終わってしまい、チラシ制作や配布計画に反映できていない状況が目立ちます。
しかし、ペルソナの真価が発揮されるのはここからであり、ターゲットの人物像がはっきりしていることが、チラシのあらゆる要素についての明確な判断基準です。
色使いや文章の長さ、使用する言葉についても、20代の独身女性と50代の主婦では好みが大きく異なります。
また、配布エリアや時間帯の選定で、ペルソナの生活パターンを参考にすれば効率的な計画が立てられます。さらに、ポスティング後の効果測定において、ペルソナとのマッチング度を検証すれば、次回の改善点が見えてくるはずです。
では、具体的な活用方法を詳しく見ていきましょう。
チラシデザインへの活用法
ペルソナが決まったら、その人が手に取りたくなるようなチラシデザインを考えてみましょう。まず色使いについては、ペルソナの年代や性別、ライフスタイルに合わせて選択します。若い女性なら明るいパステルカラー、ビジネスマンなら落ち着いたブルー系といった具合に、相手の好みを想像しながら決めましょう。
フォントの種類や大きさが大切な要素です。高齢者がターゲットなら読みやすさを重視した大きめの文字、若い世代ならスタイリッシュなフォントを選ぶように調整していきます。レイアウトについて、ペルソナの情報収集スタイルを考慮してください。じっくり読む派なのか、パッと見て判断する派なのかによって、情報の配置や量を変える必要があります。
使用する写真やイラストは、ペルソナが共感できる内容を選びましょう。子育て世代なら家族の写真、健康志向の方なら清潔感のあるイメージといったように、相手の価値観に合わせた素材選びが効果的です。
配布計画への活用法
ペルソナの生活パターンが分かれば、いつ、どこで配布すべきかが見えてきます。
例えば、専業主婦のペルソナなら、平日の午前中に住宅地での配布が効果的です。一方、働く女性がターゲットなら、駅近のマンションに夜間配布する方が目に留まりやすいかもしれません。
配布エリアについて、ペルソナの住環境設定を参考に絞り込めます。子育て世代なら教育環境が整った地域、高齢者なら病院や商業施設へのアクセスが良い地域といったように、相手のニーズに合わせた選択が可能です。
エリア選定で迷った際は、例えば名古屋市であれば市の統計データなどを参考に、地域別の人口構成や世帯データを確認すると効果的な判断ができます。
また、ペルソナの移動手段や行動範囲を考慮してください。車移動が中心の人と電車通勤の人では、チラシを見るタイミングや場所が異なります。
さらに、ペルソナの情報収集タイミングがポイントです。朝の情報収集派なら早朝配布、夜にゆっくり確認する派なら夕方以降の配布が適しています。
ペルソナ設計でポスティング効果を最大化しよう

ペルソナ設計は一度作って終わりではありません。実際にポスティングを行い、その結果を分析しながら継続的に改善していく必要があります。
反応率が予想より低かった場合は、ペルソナ設定に問題がなかったか検証してみてください。実際のお客様と大きくズレていた可能性があります。反対に、予想以上の反応があった際は、そのペルソナの特徴をより詳しく分析し、他の商品・サービスに応用できないか考えてみましょう。
また、時代の変化と共に、同じ属性の人であれライフスタイルや価値観が変わっていきます。定期的にペルソナの見直しを行い、現状に合わせてアップデートすることが大切です。ペルソナ設計は確かに手間のかかる作業ですが、その分だけポスティングの効果向上が見込めます。
曖昧なターゲット設定のままでは、期待した成果は得られないでしょう。まずは一つのペルソナから始めて、段階的にポスティングの精度を高めてください。きっと、これまでとは違った反応を感じられるはずです。
ポスティングの成果を高めるために、ペルソナ設計から配布戦略まで一貫してサポート可能です。ポスティングサービス株式会社までお気軽にお問い合わせください。