ポスティングを始めたいと考えているものの、何から手をつければ良いか分からないという声をよく耳にします。業者への依頼方法が見えないと、準備段階で不安が大きくなるでしょう。
実際、準備不足のまま発注してしまい、思ったような反応が得られず後悔するケースが少なくありません。チラシの内容だけでなく、配布エリアやタイミング、枚数の設定が成果を大きく左右するからです。
この記事では、初めての方が迷わず進められるよう、準備から発注、効果検証までを9つのステップに分けて解説します。順番に進めれば、失敗を避けながら確実に成果へつなげられるでしょう。
ポスティングを始める前に確認すべきこと

業者に依頼する前に、なぜポスティングを行うのかを一度整理しておきましょう。新規客を増やしたいのか、既存客の再来店を促したいのか、地域での認知を広げたいのかによって、配布エリアやチラシの内容は大きく変わります。
Web広告と比べると、ポスティングは地域密着型のビジネスに向いた集客手法です。SS広告やリスティング広告は幅広い層に届けられる反面、商圏が限られる店舗では費用対効果が合わないケースがあります。その点、ポスティングは届けたいエリアに直接情報を配布できるため、飲食店や美容院、学習塾など地域ビジネスと相性が良い方法といえるでしょう。
初めての方がつまずきやすいのは、目的を整理しないまま配布してしまい、結果を振り返れなくなる点です。
目的と目標を整理する
まず、ポスティングで何を実現したいのかを言葉にしてみましょう。新規客を増やしたい場合は来店数や問い合わせ数、認知を広げたい場合は配布エリア内での認知状況、リピーターを増やしたい場合は再来店率といったように、目的に合わせて見る指標が変わります。
目的を整理しないまま配布すると、終わったあとに良かったのか判断できなくなりがちです。月に10件の新規来店を目指す、3ヶ月で100件の問い合わせを獲得するといった形で、あらかじめ数字に落とし込んでおくと、配布後の振り返りがしやすくなります。
こうした目標設定が配布計画の土台になります。最初に方向性を定めておけば、次のステップへ迷わず進めるでしょう。

ステップ1|ターゲット層を見極める

誰に届けたいのかをはっきりさせることが、ポスティングを成功させる出発点になります。年齢や家族構成、住まいのタイプといった条件で整理していくと、配布エリアやチラシで伝える内容が見えてくるでしょう。
例えば、30代のファミリー層を想定する場合は戸建て住宅地や大型マンションが向いています。一方、20代の単身者を狙うなら、駅近のワンルームマンションが配布の中心です。
人物像を具体的に思い浮かべてみると、チラシの方向性が定まりやすくなります。年齢や仕事、家族構成、抱えていそうな悩みを想定すると、内容やデザインの判断がしやすくなるでしょう。届ける相手を決めないまま配布すると、響かないチラシになりがちです。
地域特性を理解する
配布するエリアの特徴を知っておくと、反応の出方は大きく変わります。戸建てが多い地域では家族世帯が中心になり、内容をじっくり読む傾向です。そのため、情報をある程度盛り込んだチラシは受け取られやすいでしょう。
反対に、マンションが多い地域では単身者や共働き世帯が目立ち、短時間で内容が伝わるチラシが向いています。要点を絞った構成のほうが、手に取ってもらいやすいです。
名古屋では、名駅や栄周辺の単身向けマンションに住む20〜30代は、チラシを長く読む時間を取りにくい傾向があります。情報を詰め込みすぎるより、サービス内容や強みが一目で分かる構成にしたほうが反応につながりやすいです。このように、エリアごとの生活スタイルを意識して配布内容を調整すれば、不要な配布を減らしながら効率よく集客できます。
ステップ2|配布エリアと枚数を決める

商圏をどう考えるかによって、配布するエリアや枚数の決め方は変わってきます。業種ごとに来店しやすい距離が違い、飲食店は徒歩で来られる範囲、美容院や整体は車で15分ほど、不動産はより広い範囲を想定するケースが一般的ではないでしょうか。
あわせて意識したいのが、世帯数と配布回数の関係です。一度きりの配布では記憶に残りにくく、2〜3回に分けて届けたほうが存在を覚えてもらいやすくなります。ただし、枚数が少なすぎると反応が見えにくく、増やしすぎると来店につながりにくい地域まで配ってしまうので注意が必要です。
最初は店舗の近くから配布を始め、反応を見ながら少しずつ範囲を広げていくと、無理のない形で進められます。
適正枚数の計算方法
配布枚数は、商圏内にどれくらい世帯があるかを目安に決めていきます。業種によって反応の出方は違いますが、実務の現場では配布枚数に対して0.01〜0.3%前後の反応が一つの目安です。
例えば、10,000枚を配布した場合、1〜30件ほどの問い合わせや来店につながる計算になります。数字だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、ポスティングでは珍しい結果ではありません。
予算とのバランスを見ながら、まずは無理のない枚数から試す点が重要です。下の表では、業種ごとの配布範囲と枚数の目安を整理しています。
| 業種 | 商圏範囲 | 初回推奨枚数 | 接触回数 |
|---|---|---|---|
| 飲食店 | 徒歩10分圏内 | 3,000〜5,000枚 | 2〜3回 |
| 美容院 | 車で15分圏内 | 5,000〜10,000枚 | 2〜3回 |
| 学習塾 | 徒歩15分圏内 | 5,000〜15,000枚 | 3〜4回 |
| 不動産 | 広域(車で30分) | 10,000〜30,000枚 | 1〜2回 |
| 整体・ジム | 車で15分圏内 | 5,000〜10,000枚 | 2〜3回 |
この表を参考に、自店の商圏と予算に合った枚数を設定してください。
ステップ3|配布タイミングを決める

配布する時期によって、反応の出方は大きく変わります。季節の需要を狙う場合は、動き出しより少し早めに配布するのが基本です。情報を探し始める時期より1〜2ヶ月前に届ければ、選択肢の一つとして覚えてもらいやすくなります。
配布する曜日や時間帯も無視できません。週末前に配れば、土日の来店につながりやすくなります。平日に配布する場合は、在宅している人に届きやすい点が特徴です。
イベントに合わせて配布する場合は、検索数が増え始める時期を意識すると判断しやすくなります。Googleトレンドを使えば、関心が高まり始めるタイミングを確認でき、配布時期の目安を立てやすくなるのでおすすめです。
季節別の配布戦略
季節ごとに、動く需要の内容は変わってきます。春は引越しや入学、新生活の準備が重なる時期で、2月末から3月上旬にかけて配布すると手に取られやすいです。
夏はボーナスや夏休み、帰省のタイミングが重なり、6月下旬から7月上旬あたりが一つの目安で、秋は新学期や敬老の日、運動会などの行事が続くため、8月下旬から9月上旬にかけて配布すると動きが出やすくなります。
冬は年末年始や忘年会、初売りに向けた準備が始まる時期で、11月下旬から12月上旬に配布するケースが多いです。関心が高まる時期より少し早めに届けると、比較の段階で思い出してもらいやすくなります。配布の時期を外すと、同じ内容のチラシなのに反応が落ちてしまうので注意が必要です。
ステップ4|チラシデザインを作る

チラシのデザインは、情報の並べ方次第で読みやすさが大きく変わります。視線がどのように動くかを意識すると、伝えたい内容を自然な流れで届けやすくなるでしょう。よく使われる考え方として、Zの法則やFの法則があり、視線が左上から右へ、段落ごとに移動していく流れを想定して配置すると、読ませたい順に情報を伝えやすくなります。
チラシ上部は、手に取った瞬間に目が向く場所です。ここで興味を持ってもらえなければ、その先まで読まれません。キャッチコピーや写真は上部にまとめ、どんな内容のチラシなのかが一目で分かる形にすると、読み進めてもらえる可能性が高まります。
全体の構成は、悩みを提示し、その解決策を示し、次の行動につなげる流れが分かりやすいでしょう。反対に、情報を詰め込みすぎて余白がなくなると、読む前に避けられてしまいがちです。伝えたい内容を絞り、見やすさを優先したデザインを意識してください。
反応が出るデザインの法則
チラシは、上から下へ順番に読まれる前提で役割を分けて考えると整理しやいです。上部にはキャッチコピーや強みを置き、どんな内容なのかを瞬時に伝えます。ここで興味を引けなければ、続きを読んでもらえません。
中央部分では、サービスの内容や料金など、判断材料になる情報をまとめます。読む人が「自分に関係がありそうか」を考える場所なので、伝えたいポイントを絞って配置すると理解されやすくなります。情報が多すぎると、途中で読むのをやめるからです。
下部には、特典や地図、連絡先など次の行動につながる情報をまとめます。文字や写真のまわりに余白を残すと視線が流れやすくなり、全体が見やすくなるでしょう。詰め込みすぎを避け、必要な情報だけを残す意識が大切です。
業種別の成功事例
飲食店のチラシでは、料理写真を大きく見せる構成がよく使われます。価格やアクセス情報を分かりやすく載せると、来店のハードルを下げやすくなるでしょう。写真を中心に、内容を直感的に伝える形が向いています。
美容院の場合は、スタイル写真やビフォーアフターを使い、仕上がりのイメージを伝える方法が一般的です。初回向けのクーポンは目に入りやすい位置に置くと、試しに来店してもらうきっかけを作れます。
学習塾では、合格実績や体験授業の案内を前に出し、保護者が気にするポイントを押さえた構成が選ばれやすいです。不動産では、物件写真と価格、立地条件を整理して掲載し、条件を比較しやすくする工夫が欠かせません。業種ごとに重視される情報は違うため、事例を参考にしながら内容を組み立てていきましょう。

ステップ5|印刷と紙質を選ぶ

紙質によって、チラシの印象や手に取られやすさは異なります。例えば、コート紙は表面に光沢があり、写真がはっきり見える一方で、内容によっては軽い印象になるかもしれません。マットコート紙は光沢を抑えた仕上がりで、落ち着いた雰囲気を出しやすい紙で、上質紙は光沢がなく、素朴でやわらかい質感が特徴です。
あわせて確認したいのが紙の厚みです。90kgは比較的薄く、枚数を多く配りたい場合に選ばれます。110kgは手に取ったときの安心感があり、標準的な厚さとして使われるシーンが多いです。135kgになるとしっかりした印象になり、サービスの信頼感を伝えたい場合に向いています。
費用と仕上がりのバランスを考えると、マットコート紙110kgを選ぶケースが少なくありません。多くの業種で使われている理由は、見た目と扱いやすさの両方を備えている点にあります。配布する目的や予算に合わせて、紙質と厚みを選びましょう。
予算に合わせた紙質選定
予算を抑えたい場合は、コート紙90kgを選び、デザインで印象を作る方法が現実的です。印刷コストを下げられるため、配布枚数を増やしやすくなり、接触回数を確保しやすくなります。まずは広く届けたいときに向いた選び方です。
一方、見た目の質感を重視する場合は、マットコート紙135kgや上質紙135kgが選ばれます。紙に厚みがあると、手に取ったときの印象が変わり、サービスへの安心感や信頼感を伝えやすいです。美容院や整体、高級レストランなどでは、この点が判断材料になることがあります。
業種ごとの例として、飲食店ではコート紙110kg、美容院ではマットコート紙135kg、学習塾ではマットコート紙110kg、不動産ではコート紙90kgが使われるケースが多く見られます。配布の目的と予算を踏まえたうえで、無理のない紙質を選びましょう。
ステップ6|効果測定の仕組みを作る

配布したあとの結果を振り返るには、事前に測定の仕組みを用意しておく必要があります。手軽に取り入れやすい方法として、QRコードの活用があります。チラシ専用のQRコードを作り、遷移先のページにアクセス解析を設定しておけば、どれくらいの人が見たかが把握可能です。
来店や問い合わせを直接追いたい場合は、クーポンや特典コードを使う方法が分かりやすいでしょう。来店時にコードを提示してもらう形にすれば、チラシ経由の反応を確認しやすくなります。実際の行動と結びつけて確認できる点が特徴です。
電話やLINEへの誘導が測定に向いています。チラシ専用の電話番号を用意すれば、問い合わせ数をそのまま確認できます。配布前にこうした仕組みを整えておけば、配布後の振り返りや次回の判断がしやすいです。
簡単にできる効果測定方法
QRコードを使う場合は、配置する位置を意識すると反応が変わります。チラシの右下は手に取ったときに視線が向きやすく、読み取られやすい場所です。目立たせすぎず、自然に気づいてもらえる配置を意識すると読み取りやすいでしょう。
アクセスの流れを確認したい場合は、Google AnalyticsのUTMパラメータが役立ちます。UTMパラメータとは、「どこからアクセスされたのか」を判別するための識別情報です。チラシ専用のURLとして設定しておけば、Webサイトへのアクセスがポスティング経由かどうかを後から確認可能です。
来店型の店舗では、簡単なアンケートをあわせて使う方法があります。「どこでお店を知りましたか」と一言聞くだけで、チラシから来店したかどうかを把握できます。

ステップ7|予算を決めて発注準備

ポスティングの予算は、デザイン費・印刷費・配布費の3つに分けて考えると整理しやすいです。デザインは自分で作れば費用を抑えられますが、業者に依頼する場合は内容に応じて数万円かかることがあります。どこにお金をかけるかを先に決めておくと、全体像が見えやすくなるでしょう。
印刷費は、配布枚数や紙質によって金額が変わります。目安として、1万枚あたり数万円前後を想定するケースが一般的です。配布費は地域差があり、1枚あたり数円単位で積み上がっていきます。全体の金額を見るだけでなく、1枚あたりのコストを把握しておけば判断しやすいです。
ポスティングは、一度きりで結果を判断するより、何回か繰り返す前提で考えたほうが実情に合います。初回の反応を見て終わらせるのではなく、2〜3回分を想定して予算を組むと、無理のない形で続けやすいです。
予算の内訳を理解する
デザイン費は内容によって幅があります。簡単な構成であれば数万円程度で収まるケースが多く、作り込みたい場合はそれ以上かかるケースがあるでしょう。自分で作成する場合は、Canvaなどのツールを使えば費用をかけずに用意できます。
印刷費は、サイズや紙質、枚数によって決まります。A4サイズで両面カラー、マットコート紙110kgを使った場合、1万枚あたり数万円前後を想定するのが一般的です。配布費はエリアによって差があり、都市部では1枚あたり数円後半、地方ではやや抑えられる傾向があります。
これらを合計すると、1万枚を配布する場合の初回予算は10万円台前半から中盤になることが多いです。実際の金額は条件によって変わるため、事前に見積もりを取って確認しておきましょう。
ステップ8|業者に発注する

発注前に、必要な情報を一度整理しておけば、話が進めやすくなります。配布エリアや枚数、配布時期、チラシのデータといった基本項目に加え、全戸配布か条件を絞った配布かといった方法の違い、配布後の報告があるかどうか確認しておきましょう。
業者へ伝える際は、今回の配布で何を狙っているのかを具体的に説明する点が大切です。新規来店を増やしたい、問い合わせ数を増やしたい等、目指す方向が分かれば、配布エリアや方法について現実的な提案を受けやすくなるでしょう。
見積もりは、一社だけで決めず、いくつかの業者を比較しましょう。契約前には、配布完了の時期、配布した証拠の提出があるか、追加費用が発生する条件について確認しておくと安心です。
発注前チェックリスト
まず、配布エリア・枚数・時期が決まっているかを確認します。この3つが固まっていないと、見積もりの条件がぶれやすく、やり取りに時間がかかってしまうからです。事前に整理しておけば、話をスムーズに進めやすいです。
次に、チラシデータの形式を確認します。一般的にはPDFやAI形式が使われます。あわせて、配布方法について確認しておきましょう。全戸配布はすべての世帯に届ける方法で、条件を絞る配布では戸建てのみ、マンションのみといった指定が可能です。
最後に、配布後の報告があるかどうかを確認します。配布完了の連絡や写真付きの報告があれば、実施状況を把握しやすいです。こうした項目を事前に確認しておけば、発注後の行き違いやトラブルを防ぎやすくなります。
業者選びのポイント
業者を選ぶ際は、これまでの配布実績や対応エリアを確認しましょう。過去にどのようなエリアで配布してきたかを聞くと、経験の有無が見えてきます。自店の商圏をカバーしているかどうかは、最初に押さえておきたい点です。
料金については、安さだけで判断しないほうが無難です。極端に安い場合は配布の質が気になり、高すぎる場合は費用に見合わないケースがあります。内容と金額のバランスを見ながら、納得できる条件かどうかを確認しましょう。
あわせて、配布後の報告や対応も確認しておきたいポイントです。配布の記録や写真付きの報告があれば、実施状況を把握しやすくなります。配布後の相談や次回の提案まで対応してくれる業者であれば、長く付き合いやすいでしょう。

ステップ9|配布後の効果検証と改善

配布後は、結果を数字で振り返ります。反響率は、反応数を配布枚数で割って算出が可能です。例えば、10,000枚を配布して20件の来店があった場合、反響率は0.2%になります。まずはこの数字を把握し、想定と比べてどうだったかを確認しましょう。
次に、反応の内容を見ていきます。反応が多かったエリアは継続し、動きが鈍かったエリアは配布範囲や内容を見直す判断が必要です。良かった点と改善したい点を分けて考えると、次の配布に活かしやすくなります。
こうした見直しは、一度で終わらせず繰り返すことが大切です。計画して配布し、結果を確認し、次に反映させる流れを続ければ、配布の精度は少しずつ上がっていきます。地道な改善を重ねると、反応の出方に変化が出てきます。
失敗しないポスティングのまとめ

初めてポスティングを業者に依頼する場合、何から決めればよいのか分からず、不安を感じるケースは少なくありません。目的や配布エリア、枚数、タイミングといった判断が後回しになると、配布後に「これで良かったのか分からない」状態になりがちです。
今回紹介した9つのステップは、準備から発注、配布後の振り返りまでを順に確認できるよう整理したものです。届ける相手や配布時期を整理し、結果を見ながら見直していく流れを作ると、無駄な配布を減らしやすくなります。業者に任せる場合、この流れを把握しておくと、判断に迷いにくくなるでしょう。
株式会社ポスティングサービスでは、こうした流れを踏まえたうえで、商圏の整理からチラシ制作、配布、結果の確認までを請け負っています。初めて業者に依頼する場合、状況を伺いながら進め方を整理していきますので、ポスティングについて不安や疑問がある場合は、お気軽にご相談ください。







