ネガティブフレームという言葉をご存じでしょうか?あまり聞きなれない言葉ですが、実は私たちの周りにはネガティブフレームが溢れています。
実は、ポスティングのチラシを制作する際、ベテランの制作者は必ずネガティブフレームを避けます。もしかしたら、ネガティブフレームという言葉を知らず、無意識かもしれませんが。
名古屋拠点のポスティング会社、株式会社ポスティング・サービスがお届けします。
ネガティブフレームとは?
次の2つの文章を見比べてみてください。
- 「あのドクターの手術成功率は90%」
- 「あのドクターは手がけた手術の内10%は失敗している」
どちらも同じく90%の確率で手術は成功しています。しかし、私たちが耳にしたときの印象は大きく異なります。そして、ある研究によると、言葉の印象はその後の人々に影響を与えます。
このような言葉の印象による行動の変化を、心理学でフレーミング効果と言います。そして、前向きなフレーミング効果は「ポジティブフレーム」、後ろ向きなフレーミング効果を「ネガティブフレーム」と呼びます。
つまり、選択する言葉や表現次第で印象が大きく変わります。これはポスティングチラシ作成時にも、大いに活かせます。なぜなら、チラシを見た後の人々の行動が、チラシ内の言葉で変化するからです。
本記事では、フレーミング効果の中でも特にネガティブな印象を強く与える、ネガティブフレームに焦点を当て、ビジネスにおけるチラシ作りへの応用方法を解説します。
ポスティングチラシの印象が悪くなるネガティブフレームとは
フレーミング効果とは、物事を言い表すときに、強調部分によって相手の意志決定や行動の選択に影響を与える効果のことです。同じ事柄の言い回しの違いが行動に変化を与えます。
このフレーミング効果には「ポジティブフレーム」と「ネガティブフレーム」の2種類があります。
- ポジティブフレーム(前向きな言い回し)
- ネガティブフレーム(後ろ向きな言い回し)
それぞれのフレーミング効果について、もう少し具体的な例を見つけてみましょう。
フレーミング効果の言い回しの具体例
1.山を登っているときに、隣の人が言いました。
- 「もう、半分を超えた。あと半分だ。」
- 「まだ、半分だ。あと半分も残ってる。」
2.ダイエット食品の効果について聞かれて、お店の人が言いました。
- 「8割の人たちが瘦せる効果を実感しています」
- 「2割の人たちは痩せる効果を感じませんでした」
3.日本の失業率を報道するメディアの記事が伝えています。
- 「97%を超える人々が、仕事を持っています。」
- 「2.5%もの人々が、職がない状態です。」
ポジティブフレームとは、聞いた人間を前向きにする、確実性を強調した表現方法です。一方ネガティブフレームはリスクを強調し、危機感を煽ります。
ポスティングチラシに載せるべきではないネガティブフレームの例
多くの場合、チラシの受け手は安心や安定を求めています。つまり、ポジティブフレームを好みます。
アメリカで手術前の患者に対して行った実験結果があります。ミネソタ大学のアレクサンダー・ロスマン博士によるものです。博士は、手術前の患者に対して、次の2つのパターンで説明をしました。
- 「600人中400人が死亡する」
- 「600人中200人が助かる」
どちらも手術結果の割合は同じです。しかし、表現方法だけが違うデータの見せ方です。患者が手術を承諾するか否かについての実験です。
その結果、「200人が助かる」というデータを見せたほうが承諾率が高かったのです。つまり、ネガティブフレームの「死亡する」に承諾する患者は少なく、ポジティブフレームが効果を発揮しています。
このように表現方法は、人の選択に大きな影響を与えます。
ポスティングチラシを作成する際にも、ポジティブフレームを活用することで、多くの人に安心感や魅力を伝えられます。
ネガティブフレームはポスティングチラシにインパクトを与える
チラシにはポジティブフレームを積極的に活用するべきです。しかし、ポジティブフレームだけのチラシが有効なわけではなりません。つまり、北風と太陽の論理です。
インパクトの強いネガティブフレームは、適切に活用すると大きな成果を生みます。それは、読み手の危機感を煽り、行動を促す効果へとつながるからです。
とくに予防商品と呼ばれるカテゴリーでは、ネガティブフレームが効果的です。いざというときの備えや、もしもへの予防は、多くの人々が苦手です。特に費用が発生するものであれば、なおさらです。
そのようなときに、ネガティブフレームが持つ脅迫効果が有効かもしれません。
たとえば、ジムの入会案内をチラシを作成するとします。ジムオーナーの思いは「日々のダイエットは健康維持に効果があります」でしょう。しかし、実際には「太り過ぎは万病の元!」とネガティブフレームを用いた方が効果があります。
ネガティブな切り口から書いたほうが、チラシを手に取った人々の危機感を煽り行動を促すことに繋がります。
ただし、極端にネガティブな言葉で危機感を煽りすぎると、店や商品の印象が悪くなり逆効果になる可能性があるので注意が必要です。
まとめ
本記事では、ポスティングチラシの印象を下げるネガティブフレームの例を解説していきました。
ネガティブフレームとは、損失を強調することで危機感や恐怖心を煽る言い回しのことで、インパクトの強いネガティブフレームを適切に活用することで、チラシの受け手に行動を促すことができます。
しかしネガティブフレームはチラシの受け手に悪い印象を与える可能性があるので注意が必要です。
良い印象を与えたい場合はポジティブフレームを使うことをおすすめします。
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