商品やサービスの広告は、今やウエブサイトとSNSが主流になりつつあります。
若い世代には宣伝効果がありますが、新聞を情報源としている高齢者には紙媒体の方が接触率が高いといえます。
ポスティング型のチラシは、手元に置いて読み込んでもらえる反面、自分には関係ないと思われれば、すぐに捨てられてしまうかもしれません。
捨てられないチラシにするためには、ターゲットに刺さる工夫が必要です。
高齢女性を対象にしたチラシを作成するのなら、まずはこの世代の不安や悩みをリサーチし、何を求めているのかを知らなければいけません。
この記事では、高齢女性に寄り添ったチラシをつくるコツや、良い印象を与える配布のマナーについて解説します。
高齢女性の不安とは？生きがいを見出す大切さ
厚生労働省の令和６(2024)年簡易生命表によると、2024年の日本人の平均寿命は、男性が81.09歳、女性が87.13歳であり、女性の平均寿命は、40年連続で世界1位です。
女性の方が長生きですが、平均寿命から健康寿命を引いた「不健康な期間」も、女性の方が長い傾向です。
そのため、寝たりきりや認知症になって、家族に迷惑をかけたくないと考える女性が多く、加齢とともに心配事が増す一方です。
生きがいや楽しみを見出すことが、不安を和らげ、心身の健康維持に役立つとされています。
高齢女性は、どんなことに生きがいを感じるのでしょうか。
親しい人たちとの交流
昔は、二世代、三世代での同居が多かったので、高齢女性の生きがいといえば「家族との団らん」でした。
核家族化が進んだ現在においては、「友人や知人との食事・雑談」を挙げる方が増えています。
友人とランチや旅行を楽しんでいる方々なら、飲食店や旅行会社のチラシに需要を感じる一方で、子どもの巣立ちや配偶者との死別によって、一人暮らしとなり、孤独感や孤立感を抱く方が増えています。
同世代とのコミュニケーションや、打ち込める趣味を求めている人は少なくありません。
孤独感の解消につながる提案や、「ひとりじゃないですよ」といった親身な一言が響くでしょう。
おしゃれを楽しむ
女性はいくつになっても、若くありたい、きれいになりたいと思うものです。
内閣府の高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査では、高齢女性の7割が、おしゃれに関心があります。
介護の現場では、「化粧療法（メイクセラピー）」が高齢女性の健康維持に効果があるとして注目を集めています。
メイクやおしゃれをしている人は、していない人より社会活動に積極的に参加していることがわかっています。
高齢でも美容に関心がある方は、実年齢より若い人向けの商品やサービスを好む傾向です。
そのため、年寄り扱いされるような言葉を好みません。
提供する商品やサービスによっては、「高齢者」や「シニア」という単語を使用しない方が良いでしょう。
高齢女性にも「見やすい」チラシにするために
年齢を重ねると、どうしても視力や色彩認識能力が衰えてしまい、若い世代と同じように見えなくなります。
凝ったレイアウトやおしゃれな配色ばかりを意識すると、結果的に見づらいチラシになり、情報を詰め込み過ぎて文章量が多くなると、必然的に文字が小さくなってしまいます。
高齢女性をターゲットにするのなら、明確で見やすいレイアウトを意識したいところです。
配色や文字の大きさ、言葉選びなど、気をつけるべきポイントを見ていきましょう。
色の工夫
高齢になると、寒色系の色や黄色が認識しにくくなります。これは、加齢によって水晶体が黄色く濁るためです。
茶色いサングラスをかけて見ているのをイメージすると、わかりやすいでしょう。
青色、黄色、グレーは共通して見にくい色ですが、60代女性は紺色が見づらく、70代の女性はシルバー、茶色、ピンクが見づらいと言われており、避けるのが無難です。
鮮やかな赤やオレンジ、緑など暖色系の色を選ぶと見やすいです。
| 見にくい色 | 理由 |
|---|---|
| 青色 | 目の水晶体が黄色くなるので視認が難しくなる |
| 薄い色（白、ピンクなど） | コントラストが低く、背景と溶け込みやすい |
| グレー | 特に背景が灰色の場合に識別しにくい |
| 黄色 | 明度が高く、白っぽく見える |
明度差やコントラストが低い色は視覚的に区別するのが難しく、見落とされやすいです。
黒色×グレーや青色×緑色、白×黄色など、寒色系同士や淡い色同士の配色はおすすめしません。
色を使い過ぎない、シンプルなデザインが好まれます。
わかりやすい言葉や文字を使う
難しい専門用語やカタカナばかりの横文字、若者が使う略語は使用を控えたいところです。意味がわからないと、それだけでストレスになり読む気が失せてしまいます。
なるべく、高齢女性に寄り添った馴染みのある言葉を使うようにしましょう。
高齢になると認知機能が低下し、物事を理解するまでに時間がかかるようになるため、要点を明確にし、端的な言葉で、回りくどい表現や誤解を招く言い回しがないようにします。箇条書きも有効です。
細かい説明をたくさん書くよりも、イラストや写真を載せた方がわかりやすい場合があります。
実際の生活が想起でき、「これは私のことだ」と思ってもらえる写真やイラストを選ぶと共感を得やすいです。
良い印象を与える配布にはマナーが不可欠！
作成したチラシは、高齢女性の手元に届いてはじめて意味があります。
しかし、ただ配ればいいわけではなく、ポスティングにはマナーが必要です。
アパートやマンションのような集合住宅の中には、チラシの配布自体を禁止している建物があります。
戸建てのポストに「チラシお断り」や「関係者以外立入禁止」の張り紙があるのを、見かけたことがあるのではないでしょうか。
禁止事項や張り紙を無視した場合、居住者の意思を無視したとして「住居侵入罪」や「軽犯罪法違反」に該当する恐れがあります。
配布する人間のマナーが悪ければ、手にしたチラシの商品やサービス、提供している企業のイメージまで損ないかねません。
時間帯への配慮
高齢女性に限らず、早朝や深夜に知らない人が近所をうろついていると、恐怖心を与えます。不審者と勘違いされて、通報されてしまうかもしれません。
ポスティングに決められた時間帯はありませんが、朝の9時頃から夜の6時頃までが望ましいとされています。
不審者と見なされないよう、清潔感のある身だしなみを心がけ、なるべく明るい時間帯に配布を行うようにしましょう。
挨拶や言葉遣いに気をつける
ポスティングの際に住人と出くわしたら、笑顔で挨拶をするようにしましょう。
何をしているのか問われた場合も、きちんとした受け答えが必要です。
言葉遣いや敬語に気をつけて、「ポスティングしています」と正直に答えるようにします。チラシはいらないと言われたら、投函しないほうがよいでしょう。
悪天候を避ける
雨や雪の日は、ポスティングを中止することをおすすめします。
なぜなら、チラシが濡れてしまうと、印刷が滲んで見えにくくなるだけでなく、先に投函された郵便物まで濡らしてしまい、受け取る側の印象が悪くなってしまうからです。
ポスティングは、天気の良い日を選んで行いましょう。
経験や知識が豊富な配達員であれば、マナーに関するトラブルを未然に防ぎ、チラシ配布による高い効果が期待できます。
高齢女性に寄り添ったチラシ配布のポイント
高齢女性をターゲットにしたチラシを作成する場合、文字の大きさや配色に気をつける必要があります。
若い世代に向けたチラシと同じようなデザインやレイアウトでは、思ったような反響が得られません。
高齢女性のニーズや読みやすさに合わせたアプローチを行うことで、より訴求効果の高いチラシの作成につながります。
株式会社ポスティングサービスでは、高齢女性をターゲットにしたチラシの作成、配布のコツをご提案できますので、お気軽にご相談ください。
